「低位株」投資のように比較的短いスパンで行う取引は、スピードとタイミングが命です。今回は、「値上がり率ランキング」の活用法などを見ていきます。

手の内を明かさない投機筋の動きを察知するには・・・

投機筋は決して手の内を明かしません。「どのような銘柄に、いつ、どのようなタイミングで介入するか」という情報が外部に漏れることのないよう、密かに資金を投入していきます。そのため、個人投資家である皆さんが彼らの情報を事前につかむことはできません。

 

それでは、投機筋の動きをいち早く察知するにはどうしたらいいのでしょうか? 有効なツールと考えられるのが「値上がり率ランキング」です。

 

値上がり率ランキングとは、「前日の終値(一日の取引時間の中で最後についた値段)からどれくらい上昇したのか」を表したもので、値上がり率の高い銘柄の順位がリアルタイムに入れ替わっていきます。「低位株」投資のように比較的短いスパンで行う取引は、スピードとタイミングが命。それゆえ、今現在大きく上昇している銘柄に注目することが重要となるわけです。

突如として株価が大きく上昇する銘柄は買いの候補

「値上がり率ランキング」の見方はこうです。まず、上位10銘柄を上から順に見ていきます。その中で、「東証一部」に上場している「小型株」で、なおかつ「株価が500円以下」の銘柄だけをピックアップしていきましょう。

 

次に、ピックアップした銘柄のチャートを見て、ほとんど動きがないところから、突如として株価が大きく上昇しているのかを確認します。そのような特異な動きが確認できたら、その銘柄は買いの候補となります。「値上がり率ランキング」に挙がってきている銘柄は、投機筋が何らかの思惑から介入していたり、業績の上方修正や新技術の開発など、何かしらのポジティブな材料が出たことで、株価が大きく上昇したりしているケースが多くあります。

 

しかし、低位株の場合、ポジティブな材料は後付けにすぎないということが多くあります。ファンダメンタルズ要因で買われるというよりも「買いたい人が多ければ上がり、売りたい人が多ければ下がる」という、売りと買いの需給関係に左右されていることが多いのが実態です。そのため、ランキング上位には株価が急騰する要因が特に見当たらないのに、突然ストップ高になる銘柄も食い込んできます。

 

こうした銘柄はそれだけ買いの力が強いということですから、さらなる上値を目指す展開となることが予想できます。もちろん「値上がり率ランキング」だけでは判断できませんが、買いの候補として翌朝の急騰に備えるのも一案です。いずれにしても、引き続き監視する価値はあるでしょう。

 

「値上がり率ランキング」は、各証券会社が提供している他、金融ポータルサイト「Yahoo!ファイナンス」でも「株式ランキング」というコンテンツ内に掲載されており、いずれも無料で閲覧できます。彼らの動きに素早く乗るためにも、毎日、欠かさずチェックしたいものです。

本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

紫垣 英昭

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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