主な上場全銘柄の株価チャートが掲載されている「チャートブック」と「週足集」を使うことで、手っ取り早く低位株を見分けることができます。今回は、「チャートブック」の活用術について見ていきます。

チャートブックを春と秋に1冊ずつ購入する理由

手っ取り早く低位株を見分けるには、主な上場全銘柄の株価チャートが掲載されている「チャートブック」の「週足集」が役立ちます。上場している市場名と、大型株・中型株・小型株といった分類が記載されているので、流動性の高い「東証一部」に上場している、「価格が500円以下」程度の「小型株」をチェックし、50銘柄程度に絞り込んでいきます。さらに、株価チャートで過去の値動きを確認しておきましょう。

 

「週足集」は毎週発売されていますが、毎週買う必要はありません。年2冊買っていただきたいのですが、実はいつ買うのかという時期も重要なポイントとなります。

 

筆者が実践しているのは、11月か12月に1冊、4月か5月にもう1冊買うという方法です。あとは、相場が大きく動いたときに買うこともありますが、基本的には「秋に1冊、春に1冊買う」と覚えていただければ結構です。

 

根拠となる理由については、実は昔から相場の世界では、市場の動きを1年周期で見ていくと、なぜか上半期が好調で下半期が不調である場合が多いと言われてきました。そのため、相場が天井をつける春頃(4月から5月)に売って、相場が底を打つ秋頃(11月から12月)に買えば儲かる、という話もあります。

 

明確な根拠はないにもかかわらず、同じような値動きが起こることを「アノマリー」と呼んでいます。アノマリーにはさまざまなものがありますが、先に述べた季節要因はアノマリーではない、というのが筆者の考えです。

 

実は、根拠となる裏付けはありますし、季節要因は株価を動かす大きなファンダメンタルズ要因の一つです。極端なことを言えば、仕込む銘柄さえ間違わなければ、「秋に買って翌年の春に売る」という年2回の売買だけでも大勝ちできます。「チャートブック」を買う時期は、「秋に1冊、春に1冊」。とにかくこのことを頭に入れておいてください。

監視銘柄は毎日チェックして収益チャンスを逃さない

「低位株」投資での成功を確かなものとするには、急騰前の初動の段階でいかに素早くエントリーできるか、にかかっています。したがって、「チャートブック」から絞り込んだ銘柄や、「値上がり率ランキング」の上位に入った銘柄は、毎日チェックできるように「チャート情報」を設定してください。各証券会社が提供するトレード画面の「チャート情報」に登録することで、リアルタイムで値動きが確認できるようになります。

 

監視銘柄に設定した銘柄は、「値上がり率ランキング」だけでなく、値動きも毎日チェックしてください。その際は、一年を通じて一定の変動率がある銘柄か、過去にはどのようなタイミングで急騰しているのか、といったことを重点的に見ていきましょう。毎日繰り返し値動きを見ることで、これから先の値動きのイメージがつかめるようになってきます。

 

また、監視銘柄に設定した銘柄名や銘柄の値動きが頭に入っていると、「値上がり率ランキング」を見ているときにピンと来るようになり、収益チャンスをみすみす逃すといったことが減っていきます。最初のうちは面倒に思えるかもしれませんが、1日20分もあればひと通り確認できるでしょう。

本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

紫垣 英昭

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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