減少する労働力で540兆円を生産、分配すれば…
本記事は、日々自分の事業を中心に情報収集している皆様に、人口統計資料とGDP速報を中心に情報共有し、日本の全体像を俯瞰的にみながら、自分の事業に活かして行ける事を目的に発信しています。
日本のGDPの総額は約540兆円。日本のGDP成長率は2019年4~6月期四半期別速報(1次速報値)年率1.8%です。ちなみに世界経済成長率がIMF発表で2019年予測は年率3.2%です。
少子高齢化の日本において、生産=分配=支出の三面等価の原則と日本の税、労働、社会保障制度を合わせて考えていくと、貧富の格差の拡大は必然の結果のように思えます。
540兆円を減少する労働者で生産し、総人口で分配し、貯蓄文化と資本主義の中にある資産家の優位性の中で支出していくと、分配における個々の金額はどんどん少なくなるのがシンプルに理解できるでしょう。
その中での自己防衛は、国依存ではなく、自立した収入とストックの確保しかないと思います。
「国がなんとかしてくれる」という考え方は捨てる
令和元年8月1日現在、日本の人口は1億2,623万人、雇用者5,636万人(令和元年4~6月期)うち非正規雇用者37.7%です。契約、嘱託、パート、その他は、雇用者の中に入っておらず、その数2,123万人います。
いわゆる「正規社員」が増加して、国の施策が、国民生活の安定に向けて成果をだしている、ように統計では見えます。国の方針というか考え方として、安定収入を確保して国民の生活基盤を安定してもらうには正社員が一番という事でしょうか。
実態は、派遣社員の無期雇用化の促進で、形式上派遣元会社の正社員扱いになっている人が数値を押し上げているのかもしれません。
類似の疑問として、「働き方改革で国民の生活を充実させる」という方針や考え方も、実態はどうでしょうか。もっと積極的に仕事に時間を費やしキャリアアップを目指したいという人に有給消化と、残業制限を会社に徹底させることで、結果的に個人の生き方を制限していたり、会社の業績貢献にブレーキをかけている事になってはいないのだろうかという意見もあります。
このようなことからも、私たちは「個々に対して、国がなんとかしてくれる」というのは幻想で、必ずしも「私たち個々の希望に則したものになっていない」ということを前提として受け入れ、自立した生き方を模索していく必要があるように思います。
ただ待ちの姿勢で、国の施策によって自分の可能性を制限するように遵守するより、自分の可能性を最大限実現させるために、国の施策を把握し、逆に活用していくことの方が良いのではないでしょうか。
これは、財務諸表と資金繰り表の捉え方とも類似しています。
決まり事を重視して、それが自分に合っていないからと言って放置したり、批判したりしても前進しません。結果として決まり事を自分でコントロール出来るようにするには、本質的に自分で出来る、納得出来る方法を考えて実行していく必要があるように思っています。