「2cmの壁」が明暗を分ける?AGA(男性型脱毛症)自己診断

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性でも薄毛の悩みを抱える人が増えています。そこで本記事では、親和クリニック総院長・音田正光氏の著書『薄毛革命 「自毛主義」のすすめ』より一部を抜粋し、AGA(男性型脱毛症)の診断方法を解説します。

AGAの種類で薄毛の進行度が分かる

AGAについては「ノーウッド-ハミルトンの分類」というものがあります。これはアメリカの医師、ハミルトンが作った脱毛のパターンを、のちに別の医師、ノーウッドが改定したものです。AGAが1から7のレベルで分類されており、現在も薄毛の進行度の目安として使用されています。

 

ノーウッド-ハミルトンの分類は[図表1]のように説明されています。

 

[図表1]AGA の分類(ノーウッド-ハミルトンの分類)

 

Ⅰ型:脱毛が始まっていない状態

Ⅱ型:生え際から進行し始めた状態

Ⅱ型(Vertex型):生え際からの進行に加えて、頭頂部がO型に脱毛してきた状態

Ⅲ型:生え際から徐々に進行が目立ってきた状態

Ⅲ型(Vertex型):Ⅲ型の状態に加え、頭頂部がO型に進行してきた状態

Ⅳ型:生え際から頭頂部にかけて進行した状態

V型:生え際から頭頂部にかけて進行し、つながっている状態

Ⅵ型:全体的にかなり進行している状態

Ⅶ型:Ⅵ型よりさらに進行している状態

 

ちなみに、“Vertex(バーテックス)”とは“頭頂”という意味です。また、このほかに、前頭部の生え際が後退するM型や、頭頂部から脱毛していくO型もあります。このノーウッド-ハミルトンの分類は欧米人を対象にしたものなので、日本人などアジア人には少しそぐわない部分もあります。そこで、皮膚科医の高島巌医師が、ノーウッド-ハミルトン分類を日本人の脱毛パターンに即して修正し、「高島分類」というものを作り上げました。

 

[図表2]男性型脱毛症の分類(高島分類)

 

[図表2]のように、欧米人は一般的に前頭部から脱毛することが多いのに比べ、アジア人は前頭部はさほど薄毛でなくても頭頂部がO型に脱毛していくことが多いことがわかります。つまり、日本人をはじめとするアジア人はⅡ型(Vertex型)が多いのが特徴なのです。

 

ちなみに、男性型脱毛症という名称ではありますが、AGAは女性にも無縁ではありません。女性にも男性ホルモンが存在するからです。ただし、女性のAGAは男性の場合と、脱毛のしかたがかなり異なります。

 

[図表3]女性の男性型脱毛症(クリスマスツリー型の脱毛)

 

[図表3]のように、女性の場合は額が後退することはほとんどありません。髪の分け目が薄くなり、それが広がっていき、頭頂部が丸く脱毛することが多いのです。その頭を斜め上から見ると、まるでクリスマスツリーのように見えるので、“クリスマスツリー型脱毛”と呼ばれます。

 

女性に限って、このように脱毛する原因は不明とされています。また、女性のAGAには、クリスマスツリー型脱毛の他に、脱毛のパターンによりルードウィッグ型、ハミルトン型の脱毛パターンも存在します。

あなたはAGAか?この診断で今すぐ簡単にわかる!

このようにAGAについて深く知ると、次に気になるのは、「自分の薄毛はAGAなのか、まだそうではないのか?」ということではないでしょうか。そこでAGAの診断基準というものがあります[図表4]。

 

[図表4]AGAの診断

 

[図表4]にある「角額」というのは、俗に言う、こめかみの剃り込みの部分のこと。「頭頂線」とは頭頂と耳の穴を結んだと仮定した場合に伸びる線のことです。この「角額」の先端が「頭頂線」の前方2cmを超えて後退しているかどうかが診断基準となります。

 

「2cmを超えて後退していればAGA」であり、「2cmを超えていなければAGAではない、もしくはまだAGAではない」ということになります。この“2cm”という値に関しては、“3cm”といわれる場合もあります。自分自身で判断するのはなかなか難しい部分もありますが、「AGAかな?」と気になったら、一つの参考にしてください。

 

ところで、仮にAGAが進行して脱毛部位が増えても、最後まで残るのが後頭部の毛髪です。いわゆる「サザエさん」の波平さんのように、頭頂部はつるつるになっていても、側頭部から後頭部の髪はしっかりと残っている人は少なくありません。

 

つまり、後頭部の毛髪は脱毛しない毛、AGAにならない毛ということです。このAGAにならず、最後まで残る後頭部の毛髪は、自毛植毛において非常に重要な役割を果たします。

AGAは手軽なシャンプー、ヘッドスパでは治らない!?

ここまで、AGAの分類や診断など、AGAの基礎知識のあらましをお話ししました。すると、こんな声が聞こえてきそうな気がします。

 

「遺伝子レベルの話では、薄毛なんか防げないじゃないか。自分の力ではどうにもならないじゃないか!」そんなふうに思われる方が多いかもしれません。確かにその通りです。

 

AGAについては遺伝子レベルで起こることであるうえ、現代の科学や医療ではまだ解明されていないことも多く、AGAによる薄毛自体を根絶することは現時点では不可能です。ただし、ここでもう一つ、気がついていただきたいことがあります。

 

それは、AGAが遺伝子レベルで始まる問題なのであれば、現在の育毛・発毛・増毛などと呼ばれる治療法には役に立たないものも少なくないということです。たとえば、育毛ができると宣伝されるシャンプーやトリートメント。髪に良いとされるヘッドスパやマッサージ。飲めば効くと喧伝される育毛サプリ……。

 

はっきり言って、これらに医学的根拠はなく、AGAに効いたり、育毛に役立ったりすることはありません。AGAの本質を知ると、これらの方法では薄毛の悩みを決して解消できないことが、改めてよくわかると思います。

 

そのほかにも薄毛を防ぎ、髪に良い効果があるといわれていることは、いろいろあります。バランスのいい食生活、睡眠をしっかり取ること、できるだけストレスのない生活を送ること、などです。これらはもちろん大切な生活習慣です。こうしたことを大事にしていれば、心身ともに健康でいられるでしょう。

 

そんな心身の健やかさは髪のためにも良いはずです。しかし、だからといって、これだけでAGAを防いだり、食い止めたりすることはできません。それはAGAのメカニズムを踏まえれば、当然のことです。

医学博士
親和クリニック総院長
医療法人社団 三幸音和会理事長 

大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約10数年従事したのち、植毛手術を開始。最近の10年間で、前半の約5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は約1000例超、その後もっぱらFUE手術を行う。FUE術の症例数は約2000例に上る。
平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。その後、FUE法をさらに進化させた「MIRAI法」(Minimum Invasive and Rapid Improve)による[最小の傷・痛み][最速の植毛技術][最適なスタイル実現]の自毛植毛手術を確立。FYE識を覆す短時間での大量移植「ハイスピードメガセッション」や従来の3~4倍の高密度移植「スーパーデンスパッキング」は他の追随を許さない。
その後さらに技術を進化させ、採取部分を刈上げない術式“誰にも気づかれない自毛植毛法”「NC<ナチュラルカバーリング>- MIRAI法」を確立。その圧倒的な技術力は国内外の毛髪医療関係者から熱烈な支持を集めている。

著者紹介

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音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

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