
政策金利は据え置き
1名が0.25%の利下げを主張
■6月18日、19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジが2.25%~2.50%で据え置かれました。
■なお、投票権を持つ10名のうちセントルイス連銀総裁が0.25%の利下げを主張して反対票を投じました。
政策金利と物価上昇率の推移

(注2)物価上昇率は個人消費支出(PCE)コア物価指数の前年同月比で、2007年1月~2019年4月。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

「辛抱強く」との文言を削除
状況を注視して「適切に行動」
■声明文では、経済・物価見通しをめぐる不確実性が高まっているとしたうえで、政策金利の判断について「辛抱強くなる」との文言を削除し、状況を注視して「適切に行動する」との文言を追加しました。
■FOMC参加者の経済見通しでは、2019年と2020年のコア物価上昇率の中央値が、FRBの目標である+2%を下回る水準に下方修正されました。
■政策金利予想の中央値については、2019年が3月から不変となった一方、2020年が下方修正され、次の一手が利下げとなることが示唆されました。なお、参加者全17名の2019年の分布をみると、利下げ予想が3月の0名から8名に増加しました。
FOMC参加者の経済見通し

(注2)FOMC参加者による予測の中央値。実質GDP成長率とコア物価上昇率は10-12月期の前年同期比。コア物価上昇率は個人消費支出(PCE)コア物価指数。失業率は各年10-12月期の平均値。FFレートは各年末時点における誘導レンジの中央値。
(出所)FRBの資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

7月末のFOMCで利下げ実施の可能性
■2019年の政策金利予想は中央値では現状から横ばいでしたが、インフレが弱く、米中貿易摩擦などの不確実性が残るなか、今後、年内の利下げ支持者が増える可能性があります。早ければ7月末のFOMCで0.25%の利下げが実施されるとみられます。
■今回のFOMCは市場予想を上回るハト派的な内容と受け止められ、19日は米長期金利が低下、米ドルが下落し、米国株式は上昇しました。ドル円は米ドル安を受けて円高が進んでいます。
(2019年6月20日)
関連マーケットレポート
2019年6月10日 市場予想を大きく下回った米雇用統計(2019年5月)
2019年6月07日 パウエル発言が注目を集めたFRB『カンファレンス』