<用語解説>
※寄り付き…株式が開いて(日本は午前9時)最初に行われた取引の株価
※引け…前場、後場の最後の売買のこと。後場最後の売買をとくに「大引け」という。あるいは単に取引時間の終了をいうこともある
※下放れ…株価が急落し、それまでの株価水準を下に突き抜けること
※上放れ…株価が一気に上昇し、それまでの株価水準を上に突き抜けること
「はらみ線」で買いシグナル、売りシグナルを見極める
前回紹介したように1つのローソク足でも株価の先行きを予測することは可能です(関連記事『株価上昇のシグナルをつかむ…「ローソク足」基本パターン5つ』参照)。しかしもっと予測の精度を高めるには複数のローソク足を組み合わせてみることが必要です。
2本のローソク足より3本、4本…と絡めるとより精度が高まります。まずは2本の組み合わせからチェックしてみましょう。
2本のローソク足の組み合わせの1つに、「はらみ線」があります。はらみ線とは、最初に現れた大きいローソク足の次のローソク足が前のローソク足の柱の部分に収まっている形のことをいいます。陽線と陰線の組み合わせによって4つのパターンに分けることができます。
1つ目は大陰線の中に小陽線が収まる「陰の陽はらみ」。2つ目は大陰線の中に小陰線が収まる「陰の陰はらみ」。3つ目は大陽線の中に小陽線が収まる「陽の陽はらみ」。4つ目は大陽線の中に小陰線が収まる「陽の陰はらみ」です。
底値圏で現れた「陰の陽はらみ」や「陰の陰はらみ」は買いシグナルとなります。逆に高値圏で現れた「陽の陽はらみ」や「陽の陰はらみ」は売りシグナルとなります。
強力な買いシグナルとなる「三空叩き込み」とは
大陰線は弱気相場の象徴です。特に高値圏で現れたときは売りシグナルとなりがちですが、底値圏で出たときは、必ずしもそうとは限りません。
下落が続くなかで大陰線が3本も続くと、市場は総弱気になってしまいますが、売り方のパワーが一気に放出されているときに現れる形なので、少しの買いが入ると、株価は反転上昇に転じやすいのです。これを「三手大陰線」といい、買いのチャンスとなります。
三手大陰線と同様に、強力な買いシグナルとなるのが「三空叩き込み」です。
下落過程で陰線が4本続けて現れ、さらに2本目から4本目の陰線がすべて下放れて寄り付いた形です。チャートで見ると、4つのローソク足の間には隙間ができます。この隙間を「マド(空)」といい、このマドの部分は取引がない価格帯なので再び上昇するときは抵抗なく上昇します。
[check!] 長い下ヒゲは上昇の合図!?
株価が反転上昇に転じるときは、その直前に株価が急落することがあります。一番の買いチャンスですが、理由は「悪材料」(株価にとってマイナスの要素) 出尽くしというケースが多く、チャートには長い下ヒゲのローソク足が現れます。
「長い下落相場」が続いたあとの上昇の合図
長く下落が続いたあと陰線が出現し、その次に寄り付きから大きく下放れ、大きく戻した値動きの激しいローソク足を「たくり線」といいます。たくり線が完成したときに出るローソク足は、「下影陰線」「陰のカラカサ」と呼ばれ、下ヒゲが長いほど反発力は高くなります。
また、長く下落相場が続いたあとに、やはり大きく下放れて寄り付き、すぐにまた値を戻して十字線(始値と終値が同じ価格)が出る形を「捨て子線」といいます。このあとさらに次のローソク足が上放れて陽線が出たら上昇の合図となります。
2本のローソク足を組み合わせると長い下ヒゲが現れ、買いシグナルとなる形があります。
その1つである「切りこみ線」は長らく下落を続けた株価が陰線を出したあと、安値で寄り付き、終値が陰線の中央を上回った大陽線が現れた形です。
同じように「つつみ線」も1本にまとめると下ヒゲが長いローソク足になります。陰線の次にその陰線全体をすっぽり包み込んでしまう大陽線が現れた形です。1本のローソク足にすると下ヒゲが長い下影陽線となり、反発力の強さを示しています。