米国の会計税務…会社名義で購入した車の最新「償却」ルール

アメリカでビジネスを行う人にとって、車は欠かすことのできない大切なアイテムです。では、実際に車を購入した場合、どのような会計処理をすべきなのでしょうか? 今回は、車の種類や使い方から、お得な償却方法を見ていきます。※本連載は、アメリカで企業の財務サポート等を展開するTwo Milesの代表、五十川裕久氏によるアメリカの最新会計税務の情報をご紹介します。

判断基準となるのは、車の価格やビジネスでの走行距離

「会社名義で車を買ったら経費で全部落とせますか?」

 

この質問はよく受けるものです。これにつきましては、車に関しての実際の経費を、「個人使用」と「ビジネス使用」を走行マイル数で按分することになります。一方、個人で購入された場合には、実際の経費の按分計算のほかに走行マイルに一定のレート(2019年は1マイルあたり58セント)を掛けて経費とすることも可能です。

 

実費の按分計算をされる場合の経費には、ガソリン代、修繕費用、保険、そして償却費用が含まれます。実費精算の場合には、実費にビジネス走行距離の割合(ビジネス走行距離÷全走行距離)をかけて控除できる費用を計算いたします。なお、通勤はビジネス走行距離には含まれません。

 

上記の通り、マイレージ、あるいは、実費精算どちらがお得かということですが、一般的には、高額な自動車であればあるほど、実費計算が得、またビジネスでの走行距離が大きければマイレージの方法が得、ということになります。

 

実費精算の場合には償却がひとつのポイントにもなります。本記事では、2018年の税制改正により、多くなった乗用車の償却費用に関して解説します。

償却の計算は5年が基本だが、高級車の場合は制限も

車は、基本的に、5年で償却計算します。たとえば、$10,000の車であれば、平均年間$2,000の償却をすることができることになります。安い車であれば、そのままの計算となりますが、高級車の償却にはいろいろな制限があります。また車の種類ごとに異なります。種類ごとに説明しましょう。

 

一般乗用車

 

乗用車の償却金額には、以下のような制限があります(2018年以降に購入) 。

 

 

この金額に前走行マイル数に対しての仕事用の走行マイル数の割合で按分した金額が、控除対象の償却費用となります。たとえば、60%を仕事で使用されている場合の初年度の償却限度金額は、「$18,000×60%=$10,800」となります。ただし、ビジネス走行比率が50%を下回る場合は、上記よりも償却金額が制限され、5年間の定額償却以上の償却はできなくなります。

 

【積載重量が大きい車】

 

積載重量(gross vehicle weight rating)が6000ポンドを超えるトラック、バン、SUVに関しては、上記の制限は適用されません。また、初年度は、$25,000までの償却が認められています。多くの大型のSUVがこの範疇に含まれます。

 

【その他の車(特別仕様車、9人以上が乗ることのできる車など)

 

これらの車に関しては特別な車両に関しての償却制限はありません。通常の事業用の資産として償却が可能です。また、一括償却も場合によっては適用できます。

 

アメリカでビジネスをする場合、車は欠かせないものです。また、その経費計上に関しても、しっかりと考える必要があります。本記事では、そのなかで、もっとも複雑な償却に関してのみ紹介しました。

 

 

五十川 裕久

Two Miles CPA・MBA・代表
Chief Motivational Officer

 

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Two Miles CPA・MBA・代表,Chief Motivational Officer

京都大学経済学部卒業、大阪府出身、カリフォルニア州オレンジカウンティー在住、米国公認会計士(カリフォルニア州)。大学卒業後、日本電気㈱で国際人事部及び海外営業部勤務その後ロータリー財団奨学生として米国アリゾナ州American Graduate School of International Management, Arizonaに留学、MBAを取得する。その後、(株)ミサワバンで投資パッケージ業務に携わり、1994年KPMG LLP ロサンゼルス事務所に入所し、日系企業をクライアントに税務・会計部門を担当後。1998年に五十川会計事務所開設。以来、南カリフォルニアのみならず米国中の日系の会社を中心に税務及び会計アウトソーシング・会計コンサルティングを中心の仕事に携わる。

WEBサイト http://twomiles.net/index.html

著者紹介

連載現地の実務家会計士によるアメリカの最新会計税務情報

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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