投信マネーは「MMF」への流入増で再び流入超
■5月の投信マネー全体は+501億ドル(前月▲311億ドル)と流入超に転じました。「MMF」が+845億ドル(前月▲559億ドル)と前月から一転して大幅な流入超となったためです。「バランス」が▲67億ドル(同▲63億ドル)、「オルタナ」が▲40億ドル(同▲21億ドル)となる中、「株式」は6カ月連続の流出超で、額も▲495億ドルと前月(▲84億ドル)より大幅に増加しました。一方、「債券」は+257億ドル(同+417億ドル)と5カ月連続の流入超となりました。
「先進国」株式ファンドは8カ月連続の流出超
■株式ファンドは、「先進国」が▲408億ドル(同▲87億ドル)と8カ月連続の流出超で、流出超過額が増加しました。「北米」が▲239億ドル(同+25億ドル)、「日本」を含む「アジア(注3)」が▲37億ドル(同+13億ドル)と流出超に転じました。「新興国」も▲87億ドル(前月+2億ドル)の流出超でした。
主要地域別株式ファンドの資金フロー

(注2)データは2017年12月~2019年5月。週次ベース。2017年12月からの累計。
(注3)「アジア」は日本、豪州、ニュージーランド、香港、シンガポール。
(注4)「GEM」はGlobal Emerging Markets(世界の新興国市場全体に投資するファンドの総称)。
(注5)「EMアジア(新興アジア)」は中国、インド、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、パキスタン、バングラデシュ。
(出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
債券ファンドは「新興国」が流出超に転じる
■債券ファンドは、「先進国」が+291億ドル(同+372億ドル)と5カ月連続の流入超です。一方、「新興国」は「GEM(注4)」が▲34億ドル(同+22億ドル)と5カ月ぶりの流出超に転じ、「EMアジア(注5) 」は+1億ドル(同+21億ドル)と流入超過額が縮小しました。また、米国ではハイ・イールド社債が▲59億ドル(同+9億ドル)と5カ月ぶりの流出超に転じました。
主要地域別債券ファンドの資金フロー

(注2)データは2017年12月~2019年5月。週次ベース。2017年12月からの累計。
(注3)「アジア」は日本、豪州、ニュージーランド、香港、シンガポール。
(注4)「GEM」はGlobal Emerging Markets(世界の新興国市場全体に投資するファンドの総称)。
(注5)「EMアジア(新興アジア)」は中国、インド、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、パキスタン、バングラデシュ。
(出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
リスクオフが強まる中、滞留する「投信マネー」
■5月は、米中貿易摩擦が一段と激化したことで、リスクに対して慎重な姿勢をとる動きが強まり、株式、新興国債券、米ハイ・イールド社債等に投資する投信から資金が流出しました。しかし、「MMF」が増加したことで投信マネー全体は増加しました。今後の景気動向や金融政策を見極めつつ、投信マネーは再びリスクをとる動きを強めるのか、安全性を重視するのか、が注目されます。
米国主要社債ファンドの資金フロー

(注2)データは2017年12月~2019年5月。週次ベース。2017年12月からの累計。
(出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(2019年6月5日)
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