金融政策は現状維持
政策金利は1.50%に据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は、5月7日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置きました。
インフレ見通しを下方修正
一方、労働市場は依然堅調と指摘
■4月24日に発表された2019年1-3月期の消費者物価(異常値をつけた項目を除外したトリム平均値)は前年同期比+1.6%と、市場予想の同+1.7%や、RBAが目標とする前年比+2~3%を下回りました。
■今回のRBAの声明文では、直近の消費者物価の結果を受けて、インフレ見通しを2019年は1.75%、2020年は2.00%と、前回声明文から0.25%ずつ下方修正しました。
■一方、労働市場については依然強いと指摘しています。失業率については、当面は3月実績と同程度の5%前後の水準が見込まれるとしたものの、2021年には4.75%まで低下するとの見方を示しました。
消費者物価指数と政策金利
利下げ期待は一旦落ち着き、米中協議の行方に注目
■消費者物価が低水準だったことから、豪州の3年国債利回りは1.2%台と歴史的な水準にまで低下し、利下げ期待が高まっていましたが、声明文発表後には1.3%台に戻しています。また為替相場は豪ドル高方向で反応しました。RBAは労働市場の動向などについて注意深く見ていくとしています。
■一方で、5月5日にトランプ米大統領が対中追加関税を25%へと引き上げると表明し、米中貿易協議の先行きに不透明感が高まっています。中国は豪州の主要貿易相手国であり、米中貿易協議の進展によっては世界経済の成長も懸念されるため、今後の動向に注目です。
豪ドル円レートと日豪金利差
(2019年5月7日)
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