4月に入って豪ドルは上昇
良好な中国経済指標などが背景
■2019年の豪ドルの対円相場は方向感に乏しい動きが続いていましたが、4月に入って上昇しています。
■中国の1-3月期実質GDPなどの経済指標が総じて市場予想を上回ったことや、豪州準備銀行(RBA)のデベル副総裁が10日の講演で経済成長や雇用を注視する姿勢を強調し、市場が想定していたほどのハト派姿勢が示されなかったことなどが背景です。
豪ドルの対円レートと日豪金利差
消費者物価指数と政策金利
RBAは中立姿勢を維持
条件付きで利下げに言及
■RBAが政策金利を1.50%に据え置いた4月2日の金融政策決定会合の議事要旨が、16日に公表されました。インフレ率が低水準にとどまり、失業率の上昇が続いた場合には利下げが適切と記載されていたことから、議事要旨の発表直後に豪ドルは一時的に下落しました。
■しかし、目先の金融政策については政策金利を変更する強い根拠はないとしており、RBAの中立姿勢は変わっていないものとみられます。
中国景気の持ち直しや豪政府の財政政策などが豪ドルの支援材料に
■豪州の最大の貿易相手国である中国における経済指標の持ち直しは、中国政府による景気対策の効果が出始めた可能性を示唆しています。
■豪州政府は2日に新年度予算案を発表し、所得税などの減税やインフラ投資の拡大に踏み切る方針を示しました。豪州では5月18日に総選挙が予定されていますが、足元では与党・保守連合(自由党と国民党)の支持率が野党・労働党を下回っていることから、政権交代の可能性があります。しかし、労働党も減税などを実施するとしていることから、政権交代の有無にかかわらず、積極的な財政政策がとられ、これらは豪ドル相場の支援材料となるとみられます。
(2019年4月19日)
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