低成長ながら回復が続く
2018年は1.1%成長
■ブラジルの2018年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+1.1%と、7-9月期の同+1.3%から減速したものの、8四半期連続のプラス成長となりました。
■2018年の実質GDP成長率は前年比+1.1%と、2017年と同じ伸び率でした。ブラジル経済は回復基調にありますが、2018年は5月にトラック運転手の大規模ストライキが発生し、物流網がまひした影響や、10月の大統領選挙をめぐる不透明感が重荷となり、低成長にとどまりました。
ブラジルの実質GDP成長率
インフレは安定推移
中銀は政策金利据え置き
■一方、2019年2月の消費者物価は前年同月比+3.9%と、3カ月連続で4%を下回るなど、足元のインフレ率は落ち着いています。
■ブラジル中央銀行(中銀)は3月20日の金融政策委員会で、8会合連続で政策金利を6.50%に据え置きました。中銀の予想では、2019年のインフレ率は物価目標中央値を下回る見通しです。
政策金利と消費者物価
2019年は成長率が加速しよう
■2018年の実質GDP成長率は力強さを欠きましたが、トラック運転手のストライキなど特殊要因の影響もあったと考えられます。低インフレ環境の継続やボルソナロ新政権への期待を背景に、家計や企業の景況感が改善していることから、2019年は内需が牽引役となり、成長率が加速するとみられます。また、インフレ率が中銀の物価目標中央値をやや下回るなか、中銀は当面政策金利を据え置くとみられます。
■今後は、2019年1月に誕生したボルソナロ新政権の構造改革の成否が注目されます。最重要課題である年金制度改革には憲法改正が必要であり、議会運営上のハードルが高いものの、財政健全化はブラジル経済の一段の発展には不可欠なもので、市場の注目が集まっています。
(2019年3月27日)
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