足元は上値の重い展開
昨年の底から足元で2桁の上昇
■日本の株式市場は、昨年12月25日の底値から回復しつつあります。足元3月14日までの上昇率を見ると、東証株価指数(TOPIX)が+12.2%、大型株と中型株で構成されるTOPIX500が同+12.0%です。一方、小型株(TOPIX Small*)も同+13.6%の上昇となりました。
(*)TOPIX Small:TOPIX算出の対象銘柄から大型株と中型株で構成されるTOPIX500の構成銘柄を差し引いた銘柄で計算された指数。
■現在は、米中貿易協議の行方や世界景気の動向に再び不透明感が強まっていることから次第に上値の重い展開となっています。
TOPIX500とTOPIX Small
底堅い小型株の利益成長予想
安定した非製造業の成長が支え
■米金融当局がハト派的なスタンスに転じたことや、中国政府が減税など景気対策を打ち出したことで、世界景気の腰折れは回避されると予想されますが、それを確認するまで、業績に対する不透明感が燻りそうです。
■ただ、こうした展開の中でも、TOPIX Smallの当期純利益は堅調に推移すると予想されます。製造業の伸びの高さに加えて、底堅く推移する内需を背景に非製造業セクターの安定した成長が見込めるためです。
主要セクターの当期純利益
次第に水準訂正をうかがう展開か
■2019、20年度の当期純利益の予想を見ると、TOPIX500では2桁増益が期待されるセクターは、現時点で限られています。一方、TOPIX Small500は、2019年度は2桁の増益が予想されるほか、製造業の主力セクターは2020年度も2桁の増益が見込まれています。昨年の小型株は利益を先取りして株価が上昇した反動から大幅な調整となりましたが、利益予想を踏まえると、水準訂正をうかがう展開が期待されます。今後は3月決算の動向が注目されます。
(2019年3月15日)
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