固定資産投資は持ち直し
インフラ投資が伸び拡大
■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~2月の固定資産投資は前年同期比+6.1%と市場予想通りとなり、昨年1~12月(同+5.9%)から持ち直しました。
■固定資産投資の内訳をみると、インフラ投資が同+4.3%と、昨年1~12月(同+3.8%)から伸び率が拡大しました。中国政府による景気刺激策の効果が表れ始めたとみられます。
固定資産投資とインフラ投資
鉱工業生産は減速
小売売上高は横ばい
■1~2月の鉱工業生産は前年同期比+5.3%と市場予想(同+5.6%)を下回り、昨年12月(前年同月比+5.7%)から伸び率が縮小しました。携帯端末や自動車などの生産が低迷しました。米国との貿易紛争の影響で輸出の減少や消費不振の影響が出ている模様です。
■1~2月の小売売上高は前年同期比+8.2%と、市場予想通りで、昨年12月から横ばいでした。引き続き自動車販売の減少が続いています。
鉱工業生産と小売売上高
全人代で景気対策を確認、景気は年後半持ち直そう
■李克強首相は全国人民代表大会(全人代)で政府活動報告を行い、2019年の経済成長率目標を6.0~6.5%に設定し、2018年の6.5%前後から引き下げました。同時に、より積極的な財政政策と、金融政策については「穏健」とする方針を確認し、中国政府が景気を下支えする意志を明らかにしました。
■鉱工業生産の減速が示すように、2019年前半は米中貿易紛争による輸出減少などから中国景気の減速が続くと見込まれますが、全人代で確認された政府の景気対策により、年後半には景気が緩やかに持ち直すとみられます。
(2019年3月14日)
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