会社を常勝軍団に変える「中田英寿っぽい人材」の凄さとは?

サッカーにおける、勝つためのマインド、人間関係、人材育成、戦術・戦略は、すべて企業経営に活用することができます。本連載は、株式会社With You、株式会社WORLD CLASS STRATEGY代表取締役社長で経営コンサルタント・石塚洋輔氏の著書、『サッカー脳で考える起業のルール―ビジネスをゲームメークする49の方法』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、企業経営を成功に導くためのビジネス戦略について解説します。

相手チームと自チームの戦力を冷静に分析せよ

「彼を知り己を知れば百戦して危うからず」

 

『兵法』で有名な中国の思想家・孫子の言葉です。どこに力点を置くかで解釈のパターンもいくつかあるようですが、基本的には、敵の戦力を正しく把握し、味方の戦力と比較すれば、たとえ100回戦っても負けることはないということを説いています。

 

仮に敵の戦力が圧倒的に上であれば、戦わないという選択をすることもある。

 

現実的に考えられるところが、孫子が現代でも評価される理由なのだといえます。

 

2018年のロシアW杯でも、日本代表の戦い方が話題になりました。

 

直前に起きた監督解任問題に端を発して、国民の間では悲観的な見方も決して少なくはなかったのですが、西野ジャパンは巧みなパスワークと体格差を補う全員参加で、見事決勝トーナメント進出を果たしました。

 

その背景には、相手チームの戦力と自チームの戦力を冷静に分析し、最適なメンバーで戦うという姿勢があったと私は思っています。

 

ビジネスでも事情は同じです。

 

あるマーケットで戦おうとする場合には、同じマーケットに参加しているプレーヤーがどういった戦力を持っているのか、それをできるだけ正確に知る必要があります。

 

それは商品の性能であったり、サービスの質であったり、価格競争力であったり、いろいろな観点があり得ます。

 

いずれにせよ、相手の戦力をできるだけ詳しくリサーチし、自軍の戦力と比較すること。

 

大切なのは言うまでもなく冷静さです。

 

思い入れが強いほど、冷静な評価は難しくなります。

 

人間は先入観という呪縛からは、なかなか自由になれない生き物だからです。

 

孫子の言葉にもあったように、初めから負けると分かっている戦いに挑むことは、勇気ではなく無謀といったほうが正確です。

 

サッカーでは、リーグ戦の場合など、どうしても避けられない戦いもありますが、ビジネスの場合は必ずしもそうではありません。

 

まずは、できるだけ詳しく、正確に、相手の情報を集めること。

 

その大切さを心に留めておいてください。

全体を見渡す「ボランチの精神」がマーケットを制する

戦う相手の情報を知ること。

 

しかもできるだけ詳しく、正確に調べること。

 

その大切さについてお話ししました。

 

ここでは、サッカーに例えるならば、グラウンド全体を見渡す有能なボランチのように、市場を眺めることが重要だということをお話しします。つまり、「中田英寿選手のようなボランチがいるチームは強い」ということです。

 

ある商品の開発を企画して、ビジネスの戦場に赴こうとしている。

 

そんな場面を想像してみてください。

 

あなたは、競合他社がこれまで作ったことのない商品のアイデアを手にしています。そして、それは絶対に売れるという確信があります。

 

一日も早く新しいマーケットに参戦し、利益を得たい。

 

そんな強い思いに胸が高鳴っています。

 

しかし、あなたは同時に有能な「ボランチの精神」を身に付けています。強い確信がある一方で、今の自分が置かれている状況を俯瞰(全体像を把握)し冷静に観察してみる、そんな能力を持っています。

 

すると、どうでしょう。

 

今参入しようとしているマーケットは、もともとメーカーと顧客の結び付きが非常に強く、新参者にはとても厳しい環境であることが分かりました。過去に、良質の新商品を手に参戦した他のプレーヤーも、そうした強い関係の前に敗れ去っている歴史がありました。

 

もしもそんな状況と知らずに飛び込んでいたら、きっとあなたの挑戦も失敗に終わっていたことでしょう。

 

市場の規模、他のプレーヤーの戦力、これまでのヒストリー。そうした全体像を把握することが、勝利に近づくために不可欠の作業なのです。

自社の「ビジネスの弱点」を知ることが重要である理由

先ほどは状況を俯瞰する大切さについて考えてみました。

 

ここでは、足元をしっかりと見つめて考えることの重要性をお話しします。あなたがビジネスとして考えていることの全体をいったん保留して、今度はできるだけ細分化して検討することの必要性を考えてみましょう。

 

チームとしての戦力、という言い方をしてきました。

 

もちろん、そのこと自体は間違いでも何でもなく、正しい評価基準のひとつです。

 

ですが、「ひとつ」と表現したところに、さらに深く考えるヒントがあります。

 

チームの戦力は、基本的にはそこに所属する個々の選手の力の積み重ねです。もちろん組み合わせによって強い化学反応が起こり、「1+1」が2ではなく3や4になることもありますが、その前提にはやはり個々の選手の能力というものがあります。

 

たとえば、緻密にデータを分析した結果、総合力でみれば、敵のチームとあなたのチームはほぼ互角の戦力、ややあなたのほうに分があるかもしれない、そんな状況だとします。しかし、あなたのチームには致命的な弱点があります。

 

それは、左サイドバックの経験が浅く、スキル面でもやや劣ることです。

 

他方、相手チームには、他チームからも恐れられているフォワードがいて、右の高い位置(ゴール近く)でプレーするのが何よりも得意な選手といわれています。

 

こうしたケースで、総合力がどれだけの説得力を持つでしょうか。

 

あなたの事業を総合すると、同業他社よりも高い総合力になるかもしれません。

 

ですが、肝心の主力商品の分野で、あるいは、今後の核にしていきたいと考えるサービスの面で、ライバルに大きく水をあけられているとしたらどうでしょうか。

 

数ある商品のラインアップの中で、ほとんどは自社のほうが優れている。

 

でも、勝負をかけるべきひとつの分野だけが、圧倒的なマイナス指標を示している。

 

そこには、総合力だけでは決して測ることのできない要素があるといえます。

 

このことは、自社のビジネスの弱点を知る上で非常に役に立つと私は考えます。

 

単に合計点で比較するのではなく、個々の選手のプレーのレベルで相手と自軍とを比較する。そうすることで、相手の強みや弱みに加えて、自分たちの強みや弱みについてもできるだけ詳しく、そして正確に、把握する。それが起業の段階でしっかりとできていれば、あなたがマーケットで勝利する確率は格段に高まります。

 

こうした「個」と「個」の比較もまた、勝負を有利に運ぶ上で大切な要素の1つなのです。

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経営コンサルタント
株式会社With You 代表取締役社長
株式会社WORLD CLASS STRATEGY 代表取締役社長 

1983年埼玉県生まれ。
小学4年生で地元サッカークラブに入団。プロ選手を夢見ていたが、けがをして断念。その後はコーチやけがで悩む人の役に立つ治療系の道を志す。
2003年、大学入学後は出身サッカークラブのコーチをする傍ら、指導者を目指してサッカー部に所属。大学4年生の時に、強豪フットサルチームに入団。23歳以下の東京都選抜チームに選出され、フットサル全国大会で優勝。
2007年、大学卒業後はITコンサルティング会社に入社。1年目に個人営業部門で、2年目に法人営業部門で、5年目に役職者部門で売り上げ日本一を獲得し、退職。
2012年、サッカーの専任コーチへ転身。サッカークラブ運営における多くの課題に気付き、将来的にクラブチームを運営することを決意。
2014年、コンサルティング・介護福祉事業運営会社を立ち上げる。介護福祉事業においては、訪問医療マッサージのフランチャイズ店として、2015年度に売り上げ日本一を獲得。その実績を基に、講演活動や執筆活動に当たる。

著者紹介

連載「サッカー脳」で思考する最強の経営戦略

サッカー脳で考える起業のルール ビジネスをゲームメークする49の方法

サッカー脳で考える起業のルール ビジネスをゲームメークする49の方法

石塚 洋輔

合同フォレスト

サッカーを知れば、ビジネスが見えてくる。市場というフィールドを見渡すボランチ精神とあらゆる場面を想定したシミュレーション力で結果というゴールを決めろ。 【起業における心構え】【戦略の立て方】【集客】【人間関…

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