今後はバリュエーション面からやや値の重い展開か

回復基調の米国株式市場/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
今後はバリュエーション面からやや値の重い展開か

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

米国株式市場は回復基調

金融政策と米中貿易協議への期待が背景

 

■米国株式市場は、昨年12月に大きく下落し、12月24日には年初来の安値を更新しました。その後は反発に転じ、2月に入ってからも回復基調です。昨年の安値からの上昇率は2月20日現在で、S&P500種指数が+18.4%、NYダウ平均株価が+19.1%、NASDAQ総合指数が+20.9%と、回復が鮮明となっています。

 

■回復基調の要因として、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策をハト派的なスタンスに変化させたことや米中貿易協議が進展するとの期待が高まっていることなどが挙げられます。

 

米国株式市場の動向

(注)データは2006年1月3日~2019年2月20日。株価収益率の倍率に 1株当たり予想利益をかけてS&P500種指数の水準を試算。1株当たり予想利益は12カ月先予想(予想はBloomberg L.P.集計)。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2006年1月3日~2019年2月20日。株価収益率の倍率に1株当たり予想利益をかけてS&P500種指数の水準を試算。1株当たり予想利益は12カ月先予想(予想はBloomberg L.P.集計)。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

米中貿易協議の進展が焦点

関税引き上げはとりあえず回避か

 

■市場では米中貿易協議の進展が焦点となりそうです。米国は中国の輸入拡大や市場の開放を要求するほか、知的財産権の侵害に対して歯止めをかけるためのルール作りなどを要求しています。現在の協議は3月1日が期限であり、それまでに合意に至らない場合は関税が再度引き上げられることになっています。こうした中、トランプ米大統領が協議期限延長の可能性について言及していることから、関税の引き上げはとりあえず回避されそうです。協議期限の延長は、米中で何らかの取り決めに至ることが前提と思われ、その内容を巡って株価の変動幅が拡大する可能性があります。

 

 

業績モメンタムにも注目

 

■2月20日のS&P500種指数の予想株価収益率は16.3倍で、2006年以降の平均+1標準偏差である16.5倍と同水準となっています。これまでの株価上昇でやや割高感が現れており、今後は上値の重い展開となる可能性があります。企業業績の勢い(モメンタム)を見るリビジョンインデックスも底をつけ改善方向にあることから、今後は業績モメンタムにも注目する必要がありそうです。

 

予想株価収益率の推移

(注)データは2006年1月3日~2019年2月21日。予想株価収益率の平均、±1標準偏差の計算期間は2006年1月3日~2019年1月31日。予想株価収益率を算出する際の1株当たり予想利益は12カ月先予想(予想はBloomberg L.P.集計)。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2006年1月3日~2019年2月21日。予想株価収益率の平均、±1標準偏差の計算期間は2006年1月3日~2019年1月31日。予想株価収益率を算出する際の1株当たり予想利益は12カ月先予想(予想はBloomberg L.P.集計)。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

リビジョンインデックス

(注)データは2015年1月1日~2019年2月20日(リビジョンインデックスは2月14日)。週次。リビジョンインデックス:当期利益のコンセンサス予想をベースに、(上方修正件数-下方修正件数)÷(上方修正件数+下方修正件数)で計算。4週移動平均。当期利益は12カ月先予想。予想はI/B/E/S。 (出所)Datastreamのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2015年1月1日~2019年2月20日(リビジョンインデックスは2月14日)。週次。リビジョンインデックス:当期利益のコンセンサス予想をベースに、(上方修正件数-下方修正件数)÷(上方修正件数+下方修正件数)で計算。4週移動平均。当期利益は12カ月先予想。予想はI/B/E/S。
(出所)Datastreamのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

(2019年2月21日)

 

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