協調減産等が奏功し、年明けから上昇傾向

堅調に推移する原油価格(2019年2月)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
協調減産等が奏功し、年明けから上昇傾向

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

年初以降、価格は上昇傾向

協調減産等が奏功

 

■北米の代表的な原油価格であるWTI先物価格は、米中貿易摩擦の激化等から、2018年末は1バレル45ドル水準でした。しかし、1月以降は米中関係の改善期待や、OPEC加盟国及びOPEC非加盟国による協調減産期待により、原油価格は上昇傾向となり、足元では1バレル55ドル程度で推移しています。

 

WTI原油価格と北米のリグ稼働基数

(注)データは2017年1月6日~2019年2月15日。ともに週次データ。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2017年1月6日~2019年2月15日。ともに週次データ。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

サウジはさらに減産を表明

産油国での政情不安も上昇要因

 

■2月12日に公表されたOPEC月報の2月号によると、OPEC加盟国の原油生産量は減少傾向となっています。1月の生産量は日量で前月比▲79.7万バレルの3,081万バレルでした。

 

■さらに、最大の産油国であるサウジアラビアは、3月以降に追加的な減産をすると表明しました。また、ナイジェリアでは月央に大統領選挙を控えて治安が悪化する中、選挙が延期されたことなどもあり、供給懸念が原油価格を押し上げています。

 

世界の原油需給見通し

(注1)需給バランス=供給-需要。▲は需要超過。 (注2)単位は百万バレル(日量)。 (注3)2017年は実績。2018年はOPECによる推定、2019年はOPECによる予想。ただし、2019年のOPEC生産量は全体の需給が均衡するとの仮定のもとでの弊社算出値。 (注4)四捨五入の関係で、OPEC、非OPEC供給量の合計は必ずしも全体の供給量と一致しません。 (出所)「OPEC月報」のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)需給バランス=供給-需要。▲は需要超過。
(注2)単位は百万バレル(日量)。
(注3)2017年は実績。2018年はOPECによる推定、2019年はOPECによる予想。ただし、2019年のOPEC生産量は全体の需給が均衡するとの仮定のもとでの弊社算出値。
(注4)四捨五入の関係で、OPEC、非OPEC供給量の合計は必ずしも全体の供給量と一致しません。
(出所)「OPEC月報」のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

米中貿易協議進展の行方と産油国の政情不安が鍵

 

■同OPEC月報によれば、2019年の原油需要見通しは、全世界推計で前年比+1.3%の日量1億バレルと予想されています。OPEC加盟国の産油量が現状程度で維持されれば、今年の需給はバランスする見込みです。しかし、米国はベネズエラに対して経済制裁を発動しており、同国の生産量が減少することにより、需給がタイト化する恐れがあります。

 

■米中貿易摩擦問題は、3月1日の交渉期限を前に協議が重ねられており、進展が期待されています。これにより、世界的に株価が上昇しており、世界経済の減速懸念が和らぐとともに、原油の需要増につながると考えられ、原油価格は今後も底堅く推移すると見込まれます。

 

 

(2019年2月19日)

 

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2019年2月07日 吉川レポート(2019年2月)世界経済「軟着陸」のための3つの条件
2019年1月30日 1バレル50ドル台を回復した原油価格(2019年1月)

 

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