2018年12月のバイオ医薬品市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

バイオ医薬品関連企業の株価動向

12月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は下落しました。

 

[図表1]ナスダック・バイオテック指数

米ドルベース、月次、期間:2008年12月~2018年12月 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧 問株式会社作成
米ドルベース、月次、期間:2008年12月~2018年12月
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧
問株式会社作成

ナスダック・バイオテック指数は、2018年10-12月期に20%を超える下げを記録し、弱気相場に突入しました。米国の一部政府機関閉鎖の継続、米・中の貿易戦争、2019年の世界経済見通しの下方修正等の不透明要因を勘案すると、市場の下げ基調がいつまで続くか、見極め難い状況です。
 

[図表2]バイオ医薬品株価指数 (ナスダック・バイオテック指数)の推移

2018年12月31日時点 ※為替レート:対顧客電信売買相場の仲値 ※PSR:2018年1月末時点のナスダック・バイオテック指数構成銘柄を基に算 出した株価売上高倍率 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問 株式会社作成
2018年12月31日時点
※為替レート:対顧客電信売買相場の仲値
※PSR:2018年1月末時点のナスダック・バイオテック指数構成銘柄を基に算
出した株価売上高倍率
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問
株式会社作成

株価が上昇した銘柄では、グローバル・ブラッド・セラピューティクス(米国)の上昇が挙げられます。同社の鎌状赤血球症治療薬候補の「迅速承認」申請を巡る米国食品医薬品局(FDA)との協議が合意に至ったとの発表が好感されました。また、口腔内崩壊錠の偏頭痛治療薬候補について良好な治験データが好感されたバイオヘブン・ファーマシューティカル・ホールディング(米国)も大きく上昇しました。今回の治験結果は、頭痛の短時間での解消を期待させると同時に、長期の安全性評価のための治験結果は、同剤の頭痛予防薬としての可能性を示唆するものとなりました。

 

一方で、中小型株、とりわけキャッシュフローが潤沢とはいえず、資金繰りが懸念される企業の株価は、下げが際立ちました。                                           

今後のバイオ医薬品市場見通し

現在、医薬品に関連する医療費の議論で重要な転換が起こっています。いくつかの国では価値に応じた医療費の還付の制度が利用されており、処方薬で最大のマーケットである米国においても同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。

 

最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面におけるイノベーションの最高の機会となると見られます。米国の中間選挙期間中、薬価についての発言が増えましたが、大半の一般投資家は、このことには既に対応済みと考えられ、薬価に対する不透明感の解消やM&A(合併・買収)の活発化などは、バイオ医薬品関連市場への資金流入を促す可能性があります。

 

一方で、そのような間でも、長期志向で、市場の非効率性に注目するアクティブ運用者にとっては、数多くの投資機会が存在するものと考えます。

 

[図表3]今後のバイオ関連学会予定

※バイオ関連学会予定に掲載の学会の開催期間は変更、延期、中止され  ることがあります。  出所:各種資料を使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
※バイオ関連学会予定に掲載の学会の開催期間は変更、延期、中止され
ることがあります。
出所:各種資料を使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

 

[図表4]注目のパイプライン

※赤色は、FDAまたはEMAにて承認された治療薬 ※ライセンス供与された治療薬も含みます 出所:各種資料を使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
※赤色は、FDAまたはEMAにて承認された治療薬
※ライセンス供与された治療薬も含みます
出所:各種資料を使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

バイオ医薬品関連企業の売上高は相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上回って堅調に成長してきました。

 

[図表5]売上高の推移

米ドルベース、期間:2001年12月~2018年12月  ※バイオ医薬品関連企業:ナスダック・バイオテック指数、新興国企業:MSCI新興国株価指数構成銘柄  ※売上高は一株あたり売上高(指数の値とPSR(株価売上高倍率)から算出)  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
米ドルベース、期間:2001年12月~2018年12月
※バイオ医薬品関連企業:ナスダック・バイオテック指数、新興国企業:MSCI新興国株価指数構成銘柄
※売上高は一株あたり売上高(指数の値とPSR(株価売上高倍率)から算出)
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込まれています。

 

[図表6]今後3年間の売上高伸び率(年率)予想

時点:2019年1月18日、ブルームバーグ集計アナリスト予想平均  ※バイオ医薬品関連企業:ナスダック・バイオテック指数、日本企業:TOPIXの構成銘柄、米国企業:S&P500種株価指数  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
時点:2019年1月18日、ブルームバーグ集計アナリスト予想平均
※バイオ医薬品関連企業:ナスダック・バイオテック指数、日本企業:TOPIXの構成銘柄、米国企業:S&P500種株価指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。

 

[図表7]バイオ医薬品関連企業の売上高と株価の推移

期間:2006年12月~2018年12月(実績)、2019~21年(予想)  ※バイオ医薬品関連企業:ナスダック・バイオテック指数※一株あたり売上高は、指数の値とPSR(株価売上高倍率)から算出※2019年~2021年の一株あたり売上高は、ブルームバーグ集計アナリスト予想平均  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
期間:2006年12月~2018年12月(実績)、2019~21年(予想)
※バイオ医薬品関連企業:ナスダック・バイオテック指数
※一株あたり売上高は、指数の値とPSR(株価売上高倍率)から算出※2019年~2021年の一株あたり売上高は、ブルームバーグ集計アナリスト予想平均
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株価の調整を受け低下しています。

 

[図表8]ナスダック・バイオテック指数とPSRの推移

 米ドルベース、月次、期間:2002年12月~2018年12月  ※PSR:株価売上高倍率。2018年1月末時点のナスダック・バイオテック指数構成銘柄を基に算出出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

米ドルベース、月次、期間:2002年12月~2018年12月
※PSR:株価売上高倍率。2018年1月末時点のナスダック・バイオテック指数構成銘柄を基に算出
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)

 

 

※当資料で使用したMSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権、その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料に記載の内容が変更される場合があります。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(『見当たらない場合は関連記事『2018年12月のバイオ医薬品市場 』を参照)。

 

(2019年1月30日)

 

ピクテ投信投資顧問株式会社

 

幻冬舎グループがIFAをはじめました!
「お金がお金を生む仕組み」を作りたいけど、相談相手がいない…
この現実から抜け出すには?

 こちらへ 

 

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケット情報

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧