マイニング時の採掘速度を表す「ハッシュレート」
BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。
第31回以降のテーマは「仮想通貨トレードの知識」です。実際に仮想通貨を売り買いする上で必要な知識を解説していきますが、今回は「ビットコインのハッシュレートと価格の関係」についてお話しします。
今回から10回程度は、仮想通貨トレードをすでに行っている方であれば誰でも知っている知識を紹介します。基礎中の基礎情報ですので、もし読んでいて知らなかったことがあれば、誤った判断基準で銘柄を売り買いしてしまう可能性があるので、これから仮想通貨を始める方や、始めたばかりの方はしっかり確認してください。
◆ハッシュレートって何?
ハッシュレートとは、ビットコインのマイニング(採掘)をする際の1秒あたりの計算力のことをいいます。単位はhash/s(セコンド)で、hash値が高いほど1秒間に多くのデータを処理できることになります。
ビットコインは、1箇所の中央サーバではなく複数のサーバが参加し、投票によって計算するサーバが割り当てられます。
ハッシュレートが上がっているということは、参加しているサーバの数や性能が上がっていることを指しており、送金などの処理能力が高まると共に、システムの信頼性が向上します。
[図表1]2017年3月-2019年1月間のハッシュレート推移
◆現在のハッシュレートと価格の推移
2017年までは、ハッシュレートの上昇と価格の上昇はある程度連動していましたが、2018年のハッシュレートは、価格が下がっていたことに反して常に右肩上がりの推移でした。このことからも、ハッシュレートと価格が必ずしも相関するわけではないことがわかります。
ハッシュレート上昇の要因となった「投資の時間差」
◆今後のハッシュレートと価格の関係は?
完全に相関しているわけではありませんが、ビットコインのハッシュパワーが上昇し、マイナーが増えているということは、ビットコインへ投資している団体が増加しているということになります。それだけの投資の流れは、今後需要増加・価格上昇の可能性にもつながります。
2018年に、価格の下落と反してハッシュレートが上がり続けた理由は、投資の時間差にあると考えられます。2017年に価格の上昇があり、マイニングマシンへの投資資金が集中し、マシンの稼働に時間がかかったのでしょう。この現象はICOにおいても起こっています。2017年は、価格の下落に反してICOの実施件数も上昇しましたが、後半一気に失速しました。
2019年は、ビットコインキャッシュのハードフォークに伴い、ビットコインのマイナーもビットコインABCとSVの採掘に流れたことで、ハッシュレートが下がっています。
この後は、ビットコインキャッシュマイニングの収益率次第ではありますが、収益率の悪いマイナーが抜けることで、ビットコインのハッシュレートはしばらく下がると考えられます。
今後については、2018年12月に記録したハッシュレートが改めて更新するかに注視し、新値を更新するようであれば、マイナーの資金流入が増えていると考え、追加投資を検討するといいでしょう。