基本はアパート・コンドミニアムに対する投資が中心
シンガポールの場合、一部の例外を除き、外国人は土地を購入することはできませんが、コンドミニアム(マンション)を購入することは可能です。シンガポールは非常に国土が小さい国であり、居住用の土地が潤沢にあるとはいえないため、居住用不動産のニーズは高いものがあります。
しかも、税制面で有利なこともあり(例えば、不動産を売却したときのキャピタル・ゲインに対する課税がない等)、シンガポールの不動産に対する投資ニーズは高く、シンガポール人のみならず、海外投資家によるシンガポールの不動産に対する投資が盛んです。
日本人のシンガポールにおける投資活動も諸外国と同様であり、基本的にはアパート・コンドミニアムに対する投資が中心であり、これには自らが居住する不動産を購入する場合と、値上がりを待ってキャピタル・ゲイン目的に投資する場合の双方があります。
シンガポールの不動産の賃貸収入はさほど高くないといわれていますので、賃貸収入を得ることを主目的とするインカム・ゲイン狙いの投資はあまり盛んではありません。
不動産を購入する際に納める「印紙税」の金額に注意
なお、シンガポールでは不動産を購入する際に、印紙税を納める必要がありますが、外国人が不動産を購入する場合、シンガポール人にも適用される印紙税額(物件価格〈取得価格または時価のいずれか高いほうの金額〉の最初の18万ドルに対しては1%、次の18万ドルに対しては2%、それ以上の部分については3%)に加え、追加の印紙税額を支払う必要があります。
例えば、時価100万ドルの物件の場合、シンガポール人がこれを購入した場合には2万6340ドルの印紙税がかかるところ、日本人の場合、これに15万ドルが加算され、17万6340ドルの印紙税がかかることになります。
シンガポール人も、2軒目以降の不動産を購入する場合、この追加印紙税を支払う必要がありますが、その税率は外国人と比較すると低率とされています(2軒目では物件価格の7%、3軒目以降は10%)。
そして、不動産価格の高騰を抑える目的もあり、不動産を購入する際に納付が必要となる追加印紙税の金額が、2013年1月にこれまでの購入価格の10%から15%に増額されました。
また、取得してから4年以内に不動産を譲渡した場合には、不動産の売主も印紙税を支払う必要がありますので、注意が必要です。