■世界経済の成長率は、2016年をボトムに2018年にかけて加速したとみられます。しかし、2019~2020年は、財政効果が薄れる米国と貿易摩擦の影響を受ける中国が共に潜在成長率近辺にスローダウンすることを受けて、世界経済は減速方向に転じる見込みです。
■2019年以降の減速は極めて緩やかなものになるとみられます。先進国のインフレが安定して推移すること、主要国で財政が景気をサポートすること、2018年にかけて政治的混乱などで減速した一部新興国経済が回復してくること、などが要因です。
■米中貿易摩擦の行方が最大の注目点です。米中首脳会談を受けて、知的財産の保護などを巡り協議が行われます。決裂すれば、世界貿易に悪影響を与え、成長率が一段と下振れるリスクがあります。
世界経済の成長見通し(2018年12月)
各地域の成長率の推移と予想(寄与度を積み上げ)
(2018年12月4日)
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