7-9月期の成長率は鈍化
年前半の高い成長の反動
■12月5日に公表された2018年7-9月期の豪州の実質GDP成長率は前期比+0.3%となり、前期の同+0.9%、市場予想の同+0.6%を下回りました。個人消費や設備投資が、年前半に大幅増となった反動等から伸び悩んだためです。
■しかし、良好な雇用環境が維持されていることを踏まえると、今後、個人消費の持ち直しが見込まれ、成長率は再加速が予想されます。
豪州のGDP成長率と寄与度
金融政策は中立を維持
景気、物価見通しに修正はなし
■豪州準備銀行(RBA)は、12月4日に開催した金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を1.50%に据え置く決定をしました。
■議事要旨では、「世界貿易に減速の兆候」との指摘がありましたが、「+3.5%程度の経済成長、緩やかに改善する失業率と物価」という豪州経済に関する基本的な見方に修正はありませんでした。
■直近のGDP統計は下振れしましたが、RBAの経済見通しに変化がないこと等から判断すると、政策金利は当面、据え置かれると考えられます。
消費者物価指数と政策金利
豪ドルの対円レートと日豪金利差
豪ドルは底堅い動きへ
■予想を下回る豪州GDP統計を受けて豪ドルは下落しましたが、豪州の良好な経済ファンダメンタルズに変化はなく、日豪金利差等も考え合わせると、今後、豪ドルは対円で堅調に推移する見込みです。
(2018年12月05日)
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