順調な景気、上昇する鉄鋼石価格等が豪ドルの支援材料

底堅い展開が見込まれる豪ドル相場(2018年10月)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
順調な景気、上昇する鉄鋼石価格等が豪ドルの支援材料

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

豪ドルは80円前後で推移

もみ合いが続いている

 

■豪ドルの対円相場は、新興国通貨安や米中貿易摩擦の激化等から軟調に推移してきました。足元では1豪ドル当たり80円前後の動きとなっています。

 

豪ドル円レートと鉄鉱石価格

(注)データは2015年9月1日~2018年10月24日。ただし、 為替の直近値は2018年10月25日12時30分時点のもの。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友 アセットマネジメント作成
(注)データは2015年9月1日~2018年10月24日。ただし、為替の直近値は2018年10月25日12時30分時点のもの。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

豪州の景気は堅調

鉄鋼石価格は上昇傾向

 

■豪州経済は順調です。順調な非資源セクターに加え、鉄鉱石等の資源価格の持ち直しにつれ資源セクターも改善に向かいつつあるためです。弊社では豪州の実質GDP成長率を2018年が+3.3%、19年も+2.7%程度と見込んでいます。政策金利は、インフレが中銀の目標を下回った水準で推移する見通しであるため、しばらく現行の1.50%で据え置かれると予想されます。

 

■米中貿易摩擦については、追加関税の対象金額が拡大し、税率も引き上げられる見込みのため、今後も注意が必要と考えられます。ただし、こうした状況でも、鉄鉱石価格が上昇傾向にあることが注目されます。中国政府が国内景気を支えるために、積極的な経済政策に転換していますので、今後も鉄鉱石価格が堅調に推移する可能性があります。

 

消費者物価指数と政策金利

(注)消費者物価指数は2013年1-3月期~2018年4-6月期。消費者物価指数は異常値をつけた項目を除外したトリム平均値。政策金利は2013年3月31日~2018年10月24日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)消費者物価指数は2013年1-3月期~2018年4-6月期。消費者物価指数は異常値をつけた項目を除外したトリム平均値。政策金利は2013年3月31日~2018年10月24日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

豪ドルは底値を探る展開か

 

■豪ドルは、しばらく米国や中国の政治・経済動向といった要因に左右される動きとなりそうです。しかし、中国のインフラ投資拡大による鉄鉱石価格の持ち直しが続く可能性があり、豪ドルの対円相場も堅調さを取り戻す余地があります。

 

(2018年10月25日)

 

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