米株の大幅続落を受け、新興国市場も下落

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

新興国市場も大きく下落

アジア新興国株の下げが目立つ

 

■世界同時株安が起こるなかで、主な新興国市場の株価や通貨の10月の騰落率をみると、アジアの下落が大きくなっています。10月11日時点では、新興国株式市場全体を表す「MSCI EM」の▲8.9%に対し、「MSCI EM Asia」は▲11.0%となっています。通貨も、アジア通貨は対米ドルで幅広く下落しています。

 

新興国株式市場の動向

(注)データは2017年10月10日~2018年10月11日。 2017年10月10日を100として基準化。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2017年10月10日~2018年10月11日。
   2017年10月10日を100として基準化。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

米中貿易摩擦激化が背景

中国との関係が深いアジアを嫌気

 

■10月のアジア株や通貨の大幅下落は、今回の相場変調の要因が、これまでの「新興国からの資金流出」による下落から、「貿易摩擦の影響を受けた経済減速への懸念」に本格的に移ってきたことの表れの可能性があります。

 

■米国の通商政策は、夏ごろまでの他国との全面対決的な姿勢から、欧州、日本、メキシコ、カナダとは交渉が進展するなかで、中国に対する強硬的な姿勢への注力へと変わったとみられます。加えて国際通貨基金(IMF)から、貿易摩擦の深刻化によっては世界経済が大きく減速するとの試算が発表され、市場参加者の警戒感が高まった模様です。

 

主な新興国株式市場の10月の騰落率

(注1)データは2017年9月末比の株価騰落率。2018年10月11日時点。 (注2)各市場の株価指数はMSCIインデックス。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)データは2017年9月末比の株価騰落率。2018年10月11日時点。
(注2)各市場の株価指数はMSCIインデックス。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

米中貿易摩擦の行方がカギ

 

■今後の新興国市場の動向は、米中貿易摩擦の行方がカギとなりそうです。昨日は新しい動きがありました。11月に米中首脳会談が開かれるとの報道や、定例の為替報告書で、米財務省スタッフが中国を為替操作国に認定しない報告を行ったことで貿易摩擦の一段の激化が回避される可能性が出てきました。

 

■もちろん、米国国内では対中強硬的な声も強く、短期的に問題解決に向かうと考えるのは楽観的すぎると思われます。しかし、少なくとも対話を通じて問題悪化が避けられれば、相場は落ち着きを取り戻すことが期待されます。

 

(2018年10月12日)

 

関連マーケットレポート

2018年10月11日 米国株式市場の急落について
2018年10月10日 IMFの世界経済見通しは2年ぶりの下方修正(2018年10月)


調査部は、総勢20名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友アセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約900本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2016年度実績)。

※三井住友アセットマネジメントと大和住銀投信投資顧問は4月1日に合併し、三井住友DSアセットマネジメントになりました。

著者紹介

連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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