「開発行為」には都道府県知事等の許可が必要
<開発行為>
開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更(造成工事)をいう。写真1は、2017年11月現在の横浜みなとみらい地区の様子である。中央部分のタワークレーンは横浜市庁の建築、左端はマンションの建築現場である。現横浜市庁は、JR関内駅前の一等地にあるが、老朽化等の理由で建替え・移転が決定した。
[写真1]
開発行為をしようとする場合は、都道府県知事等の許可が必要である。ただ、土地区画整理事業や市街地再開発事業の施行として行う場合等は許可不要である。なお、写真の下側は2級河川大岡川である。
<河川>
河川法上、河川とは、公共の水流および水面であり、1級河川、2級河川および準用河川がある、としている。私は、中学の時、富士山~東京というコースの修学旅行に行ったが、富士登山をした日に宿泊したのが、河口湖畔の足和田ホテル。翌朝、朝霧の中、湖畔を散歩していると、「1級河川・河口湖」という立て札を発見した。湖沼も河川法上の河川なのである。さて、写真2を見ると、字が薄くなっているが、「準用河川貧乏川」とある。貧乏とは、差別的な意味ではなく、「水量が少ない」という意味だそうだ。しかし、ゲリラ豪雨の後は洪水が発生する可能性があるので、神戸市長の下で管理されている。
[写真2]
エレベーターの設置義務がある建築物とは?
<景観地区>
景観法では、良好な景観は国民共通の資産であると規定し、市町村は、都市計画法に景観地区を指定できるとしている。景観地区では、建築物の形態意匠の制限・建築物の高さの最高限度または最低限度等を都市計画法に定める。写真3は、京都は四条大橋の中央から望んだ風景。京都独自の建築物が立ち並び、夏は舞妓さんがお世話してくれる川床料理で賑わう。建築物の意匠(デザイン)も古都における歴史的風情を感じさせる。このようなその街独自の風景を守り、維持発展させ後世に伝えていくべき所が景観地区である。四条大橋が掛かる四条通は、色彩の規制が厳しい。マクドナルドの看板は赤と黄色ではなく茶色と黄色の落ち着いたデザイン、八坂神社前のローソンの看板はスカイブルーではなく白色でドアは格子戸のような古都らしい形態である。写真の左半分が景観地区で右半分の鴨川の流れる辺りが風致地区に指定されている。「鴨川べりのカップルは、等間隔で座る」という都市伝説が有名である。
[写真3]
<「31」という数字>
掛布雅之さんの背番号ではない。20メートルを超える建築物は原則として避雷設備の設置義務、31メートルを超える建築物は原則として非常用昇降機(エレベーター)の設置義務がある。なぜ「31」と中途半端なのか?1920年施行の市街地建築物法で規定されたのだが、当時の建築物の高さは通常「尺」で表し、切りのいい「100尺=約31メートル」とした(ラウンド・ナンバー説)、当時の高層建築物(三菱丸の内ビルディングが代表例)が高さ100尺に収まっていたから(既存建築物参考説)、昔のはしご車は100尺までしか届かなかったから(はしご車説)、31メートルは消防隊員が駆け上がる限界であるから(消防隊員説)等、諸説がある。非常用昇降機は、火災時に消防隊員が使うもので、内部には専用キーがあり、多少安全装置が壊れていても、強引に作動できる。その観点から、はしご車説および消防隊員説が有力説と言えよう。写真4は、当時の面影を残す現在の東京駅周辺である。
[写真4]
<世界初!鉄道経由の都市計画>
宝塚歌劇にはまったく興味がなかったが、強く勧められて友人のSさんと一緒に観劇した(2017年10月22日・超大型台風の日)。創立100周年の節目の年、私が観たのは、紅 ゆずる主演の「ベルリン、わが愛」である。宝塚創始者の小林一三は、阪急梅田駅に百貨店を設置(鉄道会社が百貨店を経営したのは、世界初)し、沿線に住宅地を造り、家と勤務地とを結び、宝塚歌劇団・宝塚ファミリーランド・東宝映画館を造り、家と行楽地とを結んだ。阪急電鉄は運賃で儲け、沿線住民は仕事と遊びを効率よくこなし満足度の高い人生を歩んでいるのである。また、小林一三は非公式に東急電鉄の経営にもタッチし、阪急電鉄と同様の手法で東急東横線を造ったと言われている。どおりで、阪急神戸線と東急東横線の雰囲気が似ているはずである。紅ゆずるさんの歌と演技は、私の仕事への活力になったことは言うまでもない(写真5下部は、2級河川武庫川)。
[写真5]