2四半期連続で高い成長率
個人消費と住宅投資がけん引
■2018年4-6月期の豪州の実質GDP成長率は前期比+0.9%でした。前期の同+1.1%に続く高い伸びとなり、市場予想の同+0.7%も上回りました。個人消費と住宅投資の拡大によるものです。
■企業の採用意欲は旺盛で、雇用増→消費増→人員増強という好循環は維持される見通しです。豪州経済は今後も堅調に推移すると予想されます。
実質GDPと需要項目別の寄与度
金融政策は中立を維持
依然として緩慢な物価上昇率
■一方、18年4-6月期の消費者物価指数(異常値を除外したトリム平均値)上昇率は、前年同期比+1.9%と、豪州準備銀行(RBA)の目標レンジである+2~+3%の下限を下回っています。
■9月4日の金融政策決定会合では、政策金利は1.50%に据え置かれました。RBAは2018年、19年とも+3%超の成長を見込む一方、18年の消費者物価上昇率は電気代等の管理費の一時的な低下により+1.75%にとどまると予想しています。政策金利は当面、据え置かれる可能性が高いと言えるでしょう。
消費者物価指数と政策金利
豪ドルは当面、神経質な動き
■新興国通貨の下落を受け、リスク回避の動きが強まったため、豪ドルの対円相場は80円近傍での神経質な展開となっています。短期的には、トルコ情勢や米中貿易摩擦等が豪ドルの重石となる可能性がありますが、豪州経済の堅調さが下支えとなる見込みです。
豪ドルの対円レートと日豪金利差
(2018年09月06日)
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