会社の数字を管理する「財務諸表」…英語ではどう表記する?

グローバル化した時代において、英文の決算書を読みこなし、ビジネスの改善策を考案できることは、ビジネスパーソンにとって大きな武器となります。本連載では、第一工業大学准教授・建宮努氏の著書『ゼロから始める!すぐに役立つ! 英語の決算書の読み方』(アルク)から一部を抜粋し、英文の財務諸表の基本的な読み方を解説します。

「損益計算書」はボーナスの額や昇給額にも密接に関係

リュート先生:では早速、会社の数字を読んでいくための知識を学んでいきましょう!皆さんにまず知っていただきたいのは、会社のお金に関する情報は、「財務諸表」という管理表にまとめることになっているということです。日本語では「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」「株主資本等変動計算書」と呼ばれる4つの管理表と、それぞれの表の中にさらに細かい説明として入っている「注記」を含めて「財務諸表」と呼ばれています。

 

「財務」とはお金に関するという意味で、「諸表」とはもろもろの表という意味ですので、つまりはお金に関する情報をまとめたもろもろの表ということです。もっと簡単に「決算書」という場合も多々あります。

 

名瀬:ははあ、これがよく社長や管理職の人が言っている「決算書」ってやつですか?まあいつも自分は経理部じゃないし関係ないかな~と思っていたのですが、私にも関係あるんですかね?

 

リュート先生:何言っているんですか!大アリですよ!この決算書をもとにボーナスや昇給が決まっていくんですよ。

 

理郎:えっ、それは大変だ!どういうふうに決まっていくのですか?理論的に説明してください。

 

リュート先生:基本的には、会社のもうけを報告する「損益計算書」の売上の伸びや利益の伸びを見て、ボーナスの額や昇給額を決めているんですよ。だから仕事をしているすべての人に大いに関係があるのです。

 

順子:先生!4種類もあると、とっても大変そうなのですけど、どんな順番で勉強したらいいのですか?

 

リュート先生:それは、皆さんの給料に一番関係が深い「損益計算書」から学ぶといいと思いますよ。それから会社が健康な状態かどうかを見る「貸借対照表」を学びましょう。基本はこの2つの財務諸表なのです。その後に、会社の現金の動きに注目した「キャッシュ・フロー計算書」や、会社の元手になっているお金がどう変化したかを見る「株主資本等変動計算書」も、さらっと学ぶというのがいいのではないかと思いますよ。

 

明日実:先生!明日すぐに役立つ知識として使えるのも「損益計算書」なのですか?

 

リュート先生:そうですね。みんな売上を上げ、利益を増やすために働いていますから、「損益計算書」をまず理解して、その数字の意味を知り、そして売上や利益をもっと増やすためにはどうしたらいいかなと考えることが、会社や自分自身にとってすぐに役立つことだと思いますよ。

 

それでは、今紹介したそれぞれの財務諸表を英語の名前でも見てみましょう!

 

<4つの主なFinancial statements(財務諸表)>

 

■Statement of pro­fit or loss(Income statement)[損益計算書]

■Statement of­ financial position(Balance sheet)[貸借対照表(バランスシート)]

■Statement of cash flows(Cash flow statement)[キャッシュ・フロー計算書]

■Statement of changes in equity[株主資本等変動計算書]

■Notes[注記:各決算書の内容の補足説明]

profit(もうけ)とloss(損)の報告書

名瀬:あれ?英語の名前が複数あるものがありますね。例えば損益計算書と貸借対照表(バランスシート)は、だいぶ違う英語の呼び方が2つずつありますけど・・・・・・。

 

リュート先生:ああ、それは先に書いてある英語の名前が、国際的な会計のルールとして世界規準になっている国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)での言い方で、カッコの中の言い方はアメリカの会計基準でよく使われているものです。どちらでも分かるように両方覚えておくといいですよ。

 

順子:財務諸表は、英語でFinancial statementsなんですね。financial(お金に関する)statements(もろもろの表)ってことか。英語の方が意味がそのままストレートで分かりやすいですね。

 

リュート先生:そうそう。実は、だんだん分かってくると思いますが、会計用語はもともと英語なので、英語の方がそのままの意味で理解しやすいのです。日本語の会計用語には、日常用語と会計用語で意味が違うものや、無理に漢字を並べて短縮しているものがあるので、逆に分かりにくい場合もあるのです。英語だと、まず最初のStatement of profit or lossは、profit(もうけ)とloss(損)の報告書ということなので、会社のもうけと損のデータが書いてある紙なのだなとすぐ分かります。アメリカ的な言い方Income statementは、income(売上や利益)が書いてある紙ともっとシンプルですね!

 

貸借対照表(バランスシート)も、Statement of financial positionということは、financial(お金に関連する)position(状態)を報告する紙ということなのでとても分かりやすいと思います。アメリカ的な言い方ではBalance sheetですが、こちらの方が一般用語としては定着しているかもしれません。バランスシートとは、その会社がどのくらい借金をしているか、自分で持っていたお金や株主からもらったお金でどのくらい運営できているかというバランスを見る紙です。これについては、損益計算書の後でじっくり見ていきますが、役割としては、会社が健康的に運営されているかどうかを見るものだと思っておいてください。

 

順子:とりあえず最初は損益計算書とバランスシートが分かればいいんですよね?

 

リュート先生:そうそう。あとキャッシュ・フロー計算書と、株主資本等変動計算書がありますが、この2つはやや上級の内容です。この本では、現金がどんな理由で変化しているかを説明するのがキャッシュ・フロー計算書、ビジネスの元手となっているお金やそのお金を出したオーナーたちがどんなふうに変化しているのかが分かるのが株主資本等変動計算書というくらいに理解できていればいいと思います。

 

<まとめ>

◎損益計算書は、英語ではStatement of profit or lossまたはIncome statementで、会社がもうかっているかどうかが分かる紙のこと。

 

◎貸借対照表(バランスシート)は、英語ではStatement of financial positionまたはBalance sheetで、会社の健康状態が分かる紙のこと。

 

◎キャッシュ・フロー計算書は、英語ではStatement of cash flowsまたはCash flow statementで、現金の動きの原因が説明されている紙。

 

◎株主資本等変動計算書は、英語ではStatement of changes in equityで、ビジネスの元手になっているお金やそのお金を出したオーナーたちがどんなふうに変化しているのかが分かる紙。

 

<学んだことを明日の会社で生かすためのヒント>

まず会社の決算書が見られる場合は、現物を見てみましょう。上場企業の場合は財務諸表を公開していますが、そうでない会社の場合は、予算計画書を見せてもらうとよいでしょう。そこには、今期はどのくらい売上を伸ばして、どのくらいの費用を使うつもりなのかが書いてあるはずです。まずは自分が携わっているビジネスの実際の数字を見て、なぜこのような計画になっているのかを考えてみることがとても大事なのです。

 

 

 

建宮 努

第一工業大学 准教授(経営学)

第一工業大学 准教授(経営学)

博士(総合社会文化)、中小企業診断士、BATIC(国際会計検定)コントローラーレベル。1966年生まれ。出版社、大手通信教育会社、ベンチャー企業役員などを経て現職。

著者紹介

連載基礎から学ぶ「英語の決算書」の読み方

ゼロから始める!すぐに役立つ!英語の決算書の読み方

ゼロから始める!すぐに役立つ!英語の決算書の読み方

建宮 努

アルク

グローバル化時代の2つの共通言語、「会計」の基礎と関連する「英語」を同時に学習。 会計知識を持たない人を対象に、英語の決算書の読み方について初学者がおさえるべき、かつビジネスですぐに役立つポイントを伝授します。

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