前回は、がけ地や、隣地と高低差がある土地の相続税評価額について説明しました。今回は、「特殊な事情がある土地」の相続税評価額を探ります。

土壌汚染がある土地は相続税評価額も下がる

<ココに注意!>

1:土壌汚染のある土地は、汚染拡散防止の費用がかかるため土地の評価が下がる。

2:土地に文化遺産が埋まっている場合は、発掘調査の費用を控除することができる。

3:墓地、ゴミ焼却施設、騒音、悪臭施設が近隣にあるなどの問題に応じて土地の評価が下がる。

 

土壌汚染のある土地は、各地方公共団体の条例で汚染拡散防止措置が求められており、その費用を負担する必要があります。そのため、土地の評価額が下がります。

 

土壌汚染地の相続税評価には、原価方式が使われます。まず、その土地に汚染がない場合の評価額を計算します。そこから、浄化にかかった費用と、使用収益制限減価、そして心理的要因の減価を控除したものが土壌汚染地の評価額となります。土壌汚染地と判定されるには、課税時点で土壌汚染地と判明していなければなりません。しかるべき調査によって認定されている必要があります。

埋蔵文化財があると、発掘費用の80%相当額が控除

埋蔵文化財包蔵地は、地下に埋蔵文化財があると確認されている土地のことです。埋蔵文化財とは、土地に埋もれたままの文化財のことです。埋蔵文化財の包蔵地は市区町村の教育委員会により指定されています。

 

土地に文化的に価値のあるものが埋まっていると、本来はこの埋蔵文化財を掘り出さなければなりません。そして、この発掘費用は土地の所有者が負担することになっています。そのため、相続した土地が埋蔵文化財の包蔵地に指定されている場合、土地の評価額から発掘費用の80%を控除することができます。

 

埋蔵文化財包蔵地で土木工事等の開発を行う場合は、文化財保護法によって事前に埋蔵文化財の有無を調べなければなりません。「試掘調査」を実施して、実際に遺跡等が発見された場合には「本発掘調査」を行うことになります。

 

この調査にかかる費用は、所在地の地方公共団体により取り扱いが異なりますが、土地の所有者が負担しなければならないときがあり、譲渡などを行う際に土地の取引価格に大きな影響を与えます。通常の土地の評価額から、埋蔵文化財の発掘調査費用の80%相当額を控除することが認められています。

墓地、ゴミ焼却施設等が近隣にある場合も減額対象に

その他の個別事情として、墓地、ゴミ焼却施設、騒音、悪臭施設などが近隣にある場合、土地の路線価評価では現実的な評価を反映していないこともあります。

 

また、高速道路に接する土地、電車の線路や踏切に隣接する土地などは、騒音の問題があります。これらの点があれば、1つの要因につき各10%を減額できるようになっています。ただし、2点で20%が上限とされています。

 

[図表]特殊な事情のある土地の例
[図表]特殊な事情のある土地の例

 

<キーワード>

 

埋蔵文化財(まいぞうぶんかざい)

土地に埋蔵されている文化財のこと。一般的には遺跡と呼ばれている場所となる。埋蔵文化財の存在が知られている土地は全国で約46万カ所あるとされ、毎年約9000件の発掘調査が行われている。

 

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

本連載は、2018年5月29日刊行の書籍『図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版

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曽根 惠子

幻冬舎メディアコンサルティング

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