
本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。
先進国の10年国債利回りが上昇、
社債利回りやリート・MLP等の配当利回りが低下
■7月は日本の10年国債利回りが0%から0.1%に上昇しました。日銀が長期金利の変動の拡大を容認したため、市場が日銀のスタンスを試す形となりました。これは米欧に波及し、それぞれの10年国債利回りも上昇しました。一方、社債の利回りやリート、MLP、BDCの配当利回りが低下しました。中でも欧州では、ハイ・イールド社債の利回り、リートの配当利回りが相対的に大きく低下しました。25日に開催された米国・欧州連合(EU)首脳会談で関税引き上げについての話し合いの開始が合意されたことで、米欧の貿易摩擦が過熱しないとの見方が広がったためと思われます。もっとも、米国の保護主義的な通商政策が改められたわけではありません。米国の通商政策は引き続き資産価格の変動要因として注視する必要がありそうです。
代表的な債券利回り、リート・株式等の配当利回り(2018年7月末時点)

(注2)MLPは有限責任組合(Master Limited Partnership)で、米国で行われている共同投資事業形態の1つです。エネルギーや天然資源に関する事業などを行っているMLPがあります。BDCは米国の事業開発会社(Business Development Companies)です。銀行とは異なる企業形態で、中堅企業等向けに、融資や出資(株式の取得など)を行う会社です。
(出所)Bloomberg L.P.、J.P.Morgan Markets、野村證券金融工学研究センター、S&P Dow Jones Indices LLC、FactSetのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(2018年08月10日)
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