3市場ともに上昇
堅調な決算動向を評価
■18年7月のアジア・オセアニアのリート市場を現地通貨ベースでみると、3市場ともに上昇しました。
■シンガポール市場は、主要銘柄の初の自社株買い発表と、同業のリートへの波及期待などが好感されて上昇しました。
■香港市場は、主要銘柄の業績の安定性が評価されて上昇しました。
■オーストラリア市場は、オーストラリア準備銀行(RBA)が過去最低水準の政策金利を据え置き、長期金利が安定して推移したことが好感されて上昇しました。
各国・地域の騰落率
円ベースでも上昇
為替要因はプラス寄与
■18年7月の騰落率を円ベースでみると、シンガポール市場は+5.3%、香港市場は+8.5%、オーストラリア市場は+2.6%、アジア・オセアニア全体では+4.4%と、現地通貨ベースを上回りました。
■7月の円相場は、貿易摩擦問題や、トランプ米大統領が米ドル高基調や米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに不満を示したことを受けて円高となる場面もありましたが、米利上げ継続観測などを背景に、月間では円安となりました。これを受け、為替要因はプラス寄与となりました。
円ベース指数の推移
堅調な業績動向やディフェンシブ性が注目されよう
■アジア・オセアニアリート市場は、不透明感が増した世界経済の影響を一定程度受けるものの、長期金利が落ち着いていることから、堅調な業績動向やディフェンシブ性が相対的に注目され、底堅く推移すると期待されます。シンガポール市場は、需給の緩みが改善し、主要銘柄の業績改善を通じて緩やかな上昇が期待されます。香港市場は、安定した賃貸収益のもとで底堅く推移すると期待されます。オーストラリア市場は、利上げ観測の後退を受けて金利が低位で推移すると見られることなどにより、堅調な推移が予想されます。
(2018年08月09日)
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