インドが連続利上げ、株式、債券、通貨は小動き

インドの経済・市場動向(2018年8月前半)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
インドが連続利上げ、株式、債券、通貨は小動き

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

政策金利を0.25%引き上げ

2会合連続の利上げ

 

■インド準備銀行(RBI)は8月1日、金融政策決定会合で政策金利を6.25%から6.50%へ引き上げました。利上げは2会合連続で、市場の予想通りでした。金融政策スタンスについては、前回会合同様、中立が維持されました。6月の消費者物価が前年同月比+5.0%と前月から加速し、RBIの物価目標+4%を上回るなかで、RBIは、原油高・通貨安による生産コストの上昇が中長期的なインフレ圧力につながることを警戒し、連続利上げを実施したとみられます。

 

 

金融市場は小動き

利上げは織り込み済み

 

■RBIの利上げは市場の予想通りであったことから、1日のインド金融市場は、小動きとなりました。インドルピーは対米ドル、対円で、ほぼ変わらずで終了しました。債券市場は小幅に上昇(債券利回りは小幅低下)しました。主要株式指数のSENSEXは、過去最高値を付けた前日から小幅安となりました。

 

 

インド準備銀行は、インフレ圧力の高まりで追加利上げも

 

■RBIは今回の会合で金融政策スタンスを中立に維持したものの、原油高や通貨安に加え、好調な経済成長が続くなか、来年に予定される総選挙をにらみ景気対策が打たれる可能性があることから、インフレ圧力の高まりと財政赤字拡大を警戒し、今後も追加利上げを行う可能性があります。

 

■RBIが連続利上げを行ったことで、当面インドルピーは安定感が高まるとみられます。株式市場はインド経済の成長加速を背景に底堅い展開が期待されます。一方、国債利回りは、今後の更なる追加利上げや財政赤字拡大を嫌気し、上振れする余地があるとみられます。

 

 

インド市場の推移

(注)データは2018年8月1日基準。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2018年8月1日基準。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

インドの政策金利と消費者物価

(注1)政策金利は2015年4月1日~2018年8月1日。 (注2)消費者物価は2015年4月~2018年6月。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)政策金利は2015年4月1日~2018年8月1日。
(注2)消費者物価は2015年4月~2018年6月。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

(2018年08月02日)

 

関連マーケットレポート

2018年7月19日 インドの経済・市場動向(2018年7月後半)
2018年7月13日 インドの『モンスーン』、足元の降雨量はやや下振れ

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友アセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友アセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録