政策金利は据え置き
全会一致の決定
■米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、7月31日~8月1日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導レンジを1.75%~2.00%で据え置くことを決定しました。
政策金利と物価上昇率の推移
景気の評価を上方修正
物価はほぼ想定通りの動き
■FOMCの声明文によれば、「経済は力強い速度で成長した」と評価し、前回6月の「堅調な速度」、前々回5月の「緩やかな速度」から2会合連続の上方修正となりました。
■個人消費の復調等により、4-6月期の実質GDP成長率が前期比年率+4.1%と、1-3月期の同+2.2%から加速したことを反映したと見られます。
■物価については、上昇率が「+2%近くにとどまった」と、前回の「+2%に接近した」から小幅な修正が加えられました。物価上昇率が、FOMCの目標とする「+2%を中心とする上下対称的な水準」にあることを示唆していると考えられます。
■経済見通しに対するリスクは、「景気上振れと景気下振れで概ね均衡」を据え置きました。
FOMC参加者の経済見通し
緩やかな利上げが継続される見通し
■以上のような景気、物価に関する評価に加え、金融政策の姿勢が「引き続き緩和的」としたことを踏まえると、7月17日の米上院銀行委員会で行われた議会証言でパウエルFRB議長が述べた通り、「当面は、緩やかな利上げを継続するのが最善の道」と考えられます。
■今後の焦点は、「どこまで利上げが行われるか」です。景気を刺激も抑制もしない金利、つまり中立金利は、FOMC参加者による政策金利の長期予測値から判断すると、2.9%前後と考えられます。よって当面は、3%に向かって利上げが継続されると見られます。
(2018年08月02日)
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