前回までは、スイスの「ボーディング・スクール」の特徴を取り上げました。今回からは、スイス・ラーニングに加盟する各校についてそれぞれ見ていきます。

フランス語圏のスイス・ラーニング加盟校は7校

スイス・ラーニングには現在11校のボーディング・スクールが加盟しており、フランス語圏に7校、ドイツ語圏に3校、イタリア語圏に1校があります。スイスのボーディング・スクールとしての特徴を共有しつつも、それぞれの学校によって校風も違い、独特のカリキュラムやプログラムを提供しています。

 

これから3回に分けて、11校の特徴を簡単にご紹介いたします(詳細は学年度により異なるため、学校ホームページを確認してください)。

 

まず、フランス語圏にある7校のうち4校をアルファベット順に見ていきます。

 

 

●Aiglon College (エイグロン・カレッジ)

(URL:https://www.aiglon.ch/

 

アルプスの山中、ヴィラール(Villars-sur-Ollon)というスキーリゾート地として有名な場所にあります。9~18才(4~12年生)の生徒が約60カ国から集まり、総生徒数約350名のうち、90%が寮生として生活しています。

 

イギリス系の学校で、カリキュラムはイギリスの中学修了統一試験(IGCSE)と国際バカロレア(IB)を提供しています。必須言語は英語ですが、フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・中国語・日本語・ロシア語・アラビア語など、その他の言語クラスも選択できます。

 

学校の教育理念は、精神・身体・心をバランス良く育てること。学業に力を注ぐのはもちろんのこと、心身共に自立し、チームに貢献できる逞しい人間を育てるため、登山やクロスカントリー、ハイキングなどの遠征プログラムも充実しています。

 

●Brillantmont International School(ブリヤモン・インターナショナル・スクール)

(URL:https://www.brillantmont.ch/

 

IOC(国際オリンピック委員会)があることでも有名な街ローザンヌにあり、学校からは美しいレマン湖を一望することができます。生徒は約30ヶ国から集まり、総生徒数は約100名と小規模な学校で、90%が寮生として生活しています。対象年齢は13~18才(8~12年生)ですが、大学進学が決まった生徒対象の13年生クラスも設けています。

 

創立者の一族による家族経営が続いており、家族感を大切にしています。在校生のすべてが顔見知りであり、生徒にとっても第二の家のような学校です。

 

アメリカ高校卒業の資格とイギリスの中学修了統一試験(IGCSE)および、イギリスの高校修了統一試験(Aレベル)を提供しています。授業はすべて英語で行われますが、フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語の履修が可能です。

人道支援活動など海外遠征の機会が多い学校も

●Collège Beau Soleil(コレージュ・ボー・ソレイユ)

(URL:https://www.beausoleil.ch/

 

アルプスの山中、ヴィラール(Villars-sur-Ollon)というスキーリゾート地として有名な場所にあります。約50ヶ国から約250名の生徒が集まり、95%が寮生として生活しています。

 

11~18才(6~12年生)対象で、フランスの大学入学資格試験(FB)取得のためのフランス語カリキュラムと、イギリス中学修了統一試験(IGCSE)、国際バカロレア(IB)、アメリカ高校卒業資格の取得に向けた英語カリキュラムの2つのセクションに分かれています。フランス語は必須で、英語セクションにいてもフランス語の習得が可能です。また、母国語を続けることにも重きを置き、必要に応じて様々な言語クラスを提供しています。

 

責任・尊重・大志・決意を教育の中心的価値観とし、学業だけでなく課外活動にも力を入れており、人道支援活動など海外遠征の機会も多い学校です。

 

 

●Collège Champittet(コレージュ・シャンピテ)

(URL:https://www.nordangliaeducation.com/en/our-schools/champittet/pully

 

IOC(国際オリンピック委員会)があることでも有名な街ローザンヌの、プリーという場所にあります。総生徒数600名のうち、約7割が地元に住む生徒ですが、国籍数は45ヶ国と国際色豊かです。寮生は約70名と小規模な分、家族のように仲良く過ごしています。また、地元スイス人の通学生との交流を通じて、スイス文化に触れる機会が多いのが特徴です。

 

カリキュラムは、スイスの大学入学資格試験(Swiss Matura)、フランスの大学入学資格試験(FB)、国際バカロレア(IB)を提供しており、英語とフランス語が必須となります。入学初年度には、フランス語強化イマージョン・プログラム(通常の授業についていけるよう、言語習得のレッスンを中心に組まれるプログラム)が用意されており、英語とフランス語が母国語でない生徒のサポート体制が整っているので安心です。日常的にフランス語が飛び交う環境なので、バイリンガルを目指す生徒に特にお薦めです。

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