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「開発途上国での人道的支援活動」に参加する機会も
前回に引き続き、スイスの「ボーディング・スクール」の特徴を見ていきましょう。今回は6つの特徴のうち、4～6を取り上げます。
4. 才能を伸ばす全人教育
スイスのボーディング・スクールでは、学業・芸術・スポーツ・社会的な活動など、様々な活動に参加することを重要視しています。スポーツなどで身体を動かし、健康な身体を手に入れることで、学習意欲や集中力が増し、成績も上がります。得意不得意は関係なく、音楽や芸術に触れることで創造力を育みます。
そして、奉仕活動などを通じて身近なコミュニティーや社会、世界で起きていることに興味を持ち、理解を深めていくことができます。立派な世界市民として育っていく過程の中で、これら全ての側面を経験することは非常に大切です。
もちろん、誰もが全ての分野を完璧にこなせるわけではありません。教師たちは、生徒一人ひとりの得意不得意を見つけ、得意なことはどんどん伸ばし、不得意なことは少しでも上達できるよう指導することが非常に上手です。それに加え、生徒の中に眠っている才能を見出すことも長けており、入学後に始めた楽器やスポーツなどで才能が開花し、活躍するケースも稀ではありません。
このように、スイスのボーディング・スクールでは、生徒の心と身体がバランス良く成長できるように体育系や文化系の課外活動、美術や歴史などの海外研修旅行、開発途上国での人道的支援活動など、日本ではなかなか経験することのできないような幅広い活動への参加機会を与えています。
5. 高い教育水準とカリキュラムの選択肢
スイスは、大学卒業まで一貫して世界トップクラスの教育を提供する国です。世界経済フォーラムのレポートでも、その競争力の高さや、リサーチと革新的技術の高さを評価されています。また、今では当たり前のように耳にする、世界共通の大学入学資格である国際バカロレア（IB）発祥の地でもあります。
スイスのボーディング・スクールでは、国際バカロレアをはじめ、アメリカ高校卒業資格、イギリスの高校修了統一試験（Aレベル）、スイスの大学入学資格試験、ドイツの大学入学資格試験、フランスの大学入学資格試験、イタリアの大学入学資格試験など、幅広いカリキュラムを提供しています。
留学生の多くは、国際バカロレア、アメリカ高校卒業資格、イギリスの高校修了統一試験（Aレベル）を選択することが主流となっていますが、卒業後にどこの国の大学に進学したいかなどによっても、カリキュラムの選択の仕方が変わってきます。学校により、提供しているカリキュラムも違うので、学校選択の際には長い目で将来を見据え、どのカリキュラムを選択すべきか考えておくことも重要になってきます。
とはいえ、入学後に将来の夢が変わることもありますし、成績により希望していたカリキュラムに進めないことも無くはありません。そういった状況で、カリキュラムを変えることや個人レッスンを加えるなど、柔軟に対応してくれるのがスイスのボーディング・スクールの魅力でもあります。
日本の大学へ進学したい場合、一般的に国際バカロレア、アメリカ高校卒業資格、イギリスの高校修了統一試験（Aレベル）が大学入学資格として認められていることが多く、帰国子女枠として入試を受けることができる学校も増えています（ただし、学部などにより異なるので、希望大学に確認が必要です）。
将来のビジネスに繋がる「世界規模のネットワーク」
6. 卒業生会のネットワーク
小学校～高校時代を切磋琢磨しながら共に過ごした友人は、一生涯の友人になると言えます。世界中から生徒が集まるスイスのボーディング・スクールでは、文字通り世界中に友人ができるのです。卒業後の進路はバラバラになっても、定期的に開催される同窓会や卒業生会で懐かしい顔ぶれと再会することができます。
大学が近所であれば、高校の時と変わらない交友関係を続けることもできます。ちょっと旅行に行った国に旧友が住んでいるなら、声をかけて会うことも、美味しいお店に連れて行ってもらうこともできます。このような小さな楽しみに加え、ボーディング・スクールで培った世界中に広がる人脈は、将来のビジネスにも繋がります。
学費、生活費、全てがトップクラスのボーディング・スクールに集まる生徒たちは、世界の富裕層の子弟です。大学卒業後に家業を継ぐ生徒も多く、新たにビジネスを始める生徒もいます。世界規模のネットワークがビジネス拡大に重要な役割を持つ現代社会で、ボーディング・スクールで生活を共にした旧友との繋がりは大切な人脈です。また、学校在学中には、父母会やコンサートなど保護者が参加するイベントも多く開催され、そこで出会った保護者同士でビジネスのネットワークが広がることも珍しくありません。
スイスのボーディング・スクールで得られるものの中でも、何にも変えることのできない貴重な財産といえるでしょう。
