今回は、サラリーマンが「ローリスク起業」を実現するために、何から始めればよいのかを見ていきましょう。※本連載では、株式会社OCL代表取締役・中小企業診断士・ITコーディネータとして活躍する四ッ柳茂樹氏が、シニア起業を考える方々向けに、副業から始める「ローリスク起業術」を紹介します。

起業したい業種に転職し、経験・ノウハウ・人脈を得る

前回、副業はローリスクな起業準備となり、特に50代以下の会社員が将来に備えるよい方法であることを書きました。今回は、そのうち2つのやり方について紹介します。

 

起業したい業界のことを知らない、経験がない場合は、まずは転職やお手伝いから始める方法があります。この方法により、客観的な自分の実力や、今の会社から離れて自立した際の感覚が少しわかるようになります。

 

「20代ならまだしも、いまさら転職や弟子なんて・・・」と思われるかもしれません。確かに、転職であれば給与は下がることが多いと思います。ただ、70代・80代まで働くことを考えると、トータルの収入、あるいはやりがいはどうでしょうか。セミナー参加者でもよく見かけますが、定年退職間際になってからでは、準備が厳しくなるケースがあります。そのような意味でも、早めに行動する人が上手くいくのです。

 

また転職をしなくても、空き時間に手伝わせてもらうという方法もあります。もちろんできることに限りはありますが、特に人手不足が言われている昨今、目的を持ってお手伝いしてくれる方、社会人としての経験や自分の武器を持っている方は貴重になりつつあります。普通、企業で「お手伝い」を明示している人材募集はしていません。そのため、自分から企業にアピールする、ある意味押しかけるようなことも必要になるかもしれません。

 

副業禁止規定を気にすることもあるかもしれません。その場合、例えばお金をもらわないでボランティアとして手伝う方法もあります。既に会社での給与があるので、ちょっとしたお小遣い程度の金額なのであれば、わざわざもらう必要もないでしょう。いわゆる先行投資のような考え方です。

 

私も大きな企業に勤めていましたが、ボランティアでベンチャー企業のお手伝いをしていた時期がありました。そのときの客観的な見方や人脈は、いまでも役立っています。

 

コンサルタント等、リスクの低いビジネスから開始を

「副業で行いやすい業種」から始める方法もあります。特に、今まで身につけてきた知識や経験を活かせるものがお薦めです。

 

現在勤めている会社の競合になる可能性もある業務の場合は、例えボランティアで関わっていたとしても、「競業避止義務」などに違反したとして訴えられかねません。直接今行っている業務だけではなく、今までの経験から行えそうな別業界の事業を考えてみてはどうでしょうか。

 

知識や経験を伝えるコンサルタント業は、行いやすいことの一つです。もちろん、既にコンサルタントとして活動している知人を手伝うなどの方法が無難ですが、まわりにいる自分の知識・経験を聞きたいという人・会社を探すという方法もあります。

 

実際に考えてみると、「どんな分野がいいのか」「どうやって見込客にアプローチするか」など、事業と同じ悩みが出てきます。まずは、自分のビジネスモデルを組み立てるところからはじめるのがよいでしょう。

 

またオークションでの売買や、自分で仕入れたものを販売するといったように、無店舗販売から始めるという方法もあります。自分の趣味やこだわりの分野があれば、目利きもできるでしょうから、簡単に始めることができます。規模が大きくなってくると、効率化や仕入先の開拓、同業他社との差別化など、起業する場合と同様の問題が出てくるかもしれません。

 

もっと大きな規模で行いたいという人の場合には、外注や代行業者などをうまく利用して、自分が動かなくても事業がまわるように組み立てていく方法もあります。

 

次回は、「後継者のいない会社や店舗などをM&Aで購入し、まずオーナーになる」方法について、そのメリットと注意点などを説明します。

 

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