購入価格が高い都心部の物件は「利回りが低め」だが・・・
都心部の物件は購入価格が高くなるため、地方に比べるとどうしても利回りが低くなります。ただし、この利回りの低さをデメリットやリスクと捉えるべきではありません。
例えば、都内のワンルームマンションの利回りは平均すれば、現在、5%程度になります。一方、地方で販売されている一棟アパートなどの中には、10%や15%という利回りの高さを宣伝されているようなものも見られます。
そのため、利回りの面からは、地方の物件のほうが魅力的に思える人もいるかもしれません。
しかし、利回りが高いということは、別の見方をすれば「物件の価格が安い=賃貸の需要が少ない」ということも意味しています。つまり、利回りが高ければ高いほど空き室になるリスクも大きくなるといえるのです。
利回りは、あくまでも入居者がついて家賃が継続的に入ってくることを前提として成り立つものです。どんなに高い利回りが想定されているとしても、人が入らなければ利益はまったくのゼロであることを忘れてはいけません。
高利回りの数字は、入居者を確保できない限り“砂上の楼閣”に過ぎないのです。
主要ターミナル駅まで乗り換え2本以内、徒歩10分以内
不動産投資のエリアを東京都内に絞ったとしても、そこからさらに、どのような立地を具体的に選べばよいのでしょうか。
また、中古のワンルームマンションにしてもそれこそ数限りなくあるので、どのような条件を備えたものを購入するべきなのかが問題となります。
まず立地に関しては、大きく3つのポイントを意識するようにしましょう。
第1は、「主要なターミナル駅まで乗り換え2本以内で行けるか否か」です。ターミナル駅とは交通の起点となる駅のことです。東京の場合であれば、品川駅、東京駅、渋谷駅、新宿駅、池袋駅などが該当します。
例えば、渋谷駅、新宿駅であれば以下の路線のエリアがそれぞれの駅に1本の電車で行ける立地になります。
(渋谷駅)JR山手線、京王井の頭線、東急東横線、東京メトロ副都心線、東京メトロ銀座線、東京メトロ半蔵門線
(新宿駅)JR山手線、JR埼京線、JR湘南新宿ライン、JR中央線、JR中央・総武線、京王線、小田急線、東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄新宿線、都営地下鉄大江戸線、西武新宿線
これらに付随したもう1路線以内で選びましょう。大きなターミナル駅はオフィスや商業施設が集中しており、都市の中核を形作っています。そのため、そこに乗り換えなしで行けるエリアは利便性を評価され、高い賃貸ニーズを保ち続けることが可能なのです。
勝てる立地の第2の条件は、駅から徒歩10分以内の場所です。
毎日の通勤・通学を考えると、住む家は駅からできるだけ近い場所にあることが望ましいのは言うまでもありません。ことに女性の場合は、夜、帰宅するときに痴漢などの被害に遭う危険もあるため、安全・防犯の面からも駅から自宅までの距離が気になるところです。
そうした観点から考えていくと、駅から歩く時間が10分を超えると「遠い・・・」という感覚が強くなり、敬遠されてしまいます。それに対して10分以内であれば、一般的には「それほど遠くはない」と見られているので、物件候補の一つとして十分に検討対象となるでしょう。
第3に、できるだけ「大学や専門学校などの学校が近くにあるところを選ぶ」ことも大切になります。
大学や専門学校には、親元を離れ地方から東京に出てきた学生たちも大勢通います。学校のそばにあるワンルームマンションは、そうした学生たちの確実な需要を見込むことができるため、安定した収益を確保することが期待できるのです。
逆にいえば、
①ターミナル駅まで2本以内で行けない
②駅から徒歩10分以内の場所にはない
③近くに学校がない
ような場所は、都内のほかのエリアに比べて入居者を確保できる確率が若干下がってしまいます。避けるのが無難といえるかもしれません。