droaとは
droaとは、アメリカの不動産取引で使用される買い付け申込書兼不動産売買契約書のことです。droaは各地の不動産協会で独自に雛型を作成していて、その雛型を利用することが一般的であるため、様式は各州によって異なります。
droaには不動産取引に関わる様々な項目や条件が記載されています。売主と買主との間で買い付け申込書であるdroaを基に交渉を行い内容の追加訂正を行った後に、双方が合意できる最終的な条件が決定すれば契約成立となります。
また、当該物件の売買に関わる様々な情報が事細かに記載されたdroaは、買い付け申込書としての役割だけでなく、最終的には売買契約書として用いられることになります。
droaに記載される内容
droaには不動産取引に関わるありとあらゆる項目や条件が記載されており、日本の契約書の内容と比較するとより細かく、より具体的な内容になっています。
主な内容としては、購入価格や現金で支払うかローンを利用するかといった支払い方法と支払い時期、登記の予定日や必要書類についての検討時期などです。
また、家具や備品の取り扱いや物件を点検する期間、そして売主が行うべき物件の修理箇所のような、物件に関する「細かな取り決め」についても全て記載します。droaをチェックすれば当該物件の不動産取引について全てのことを把握できるといっても過言ではありません。
日本の不動産売買契約書との違い
アメリカの不動産売買契約書となるdroaと日本の不動産売買契約書の大きな違いであり重要なポイントとなる項目は「契約解除」に関する条項です。
日本では民法上、相手側が契約履行に着手する前であれば、買主が手付金を放棄したり、あるいは売主が手付金の倍額を返却したりすることにより契約を解除することができるいわゆる「解約手付」が認められています。
しかし、アメリカには日本のような解約手付という制度が無いため、契約が成立した後は自己都合での一方的な契約解除は認められておらず、自己都合で契約を解約する場合は違約金が発生するなどの不利益が出てしまいます。
一方で、物件購入における所有権の条項に、どうしても納得できない場合は一定の期日内にキャンセルの意思表示をすれば契約を解除でき、住宅ローンの審査が通らずにローンを使えない場合など、ローン条項に基づく解約ができる一部の例外もあります。
いずれにしてもアメリカには解約手付という制度が無いので、日本での不動産取引以上に細心の注意を払って行う必要があるといえるでしょう。