ランドコートシステムとは
ハワイ州には特有の「ランドコートシステム」という、特有の土地登記制度があります。これは、「登録者保護システム」、すなわち、現在対象とされる土地の所有権を主張する方が、その土地における抵当権やリース、そして判決に伴う土地に関する様々な負担を充分に把握しているかどうかに関わらず、「登記した順番」で所有権の優先順位が決められるという土地登記システムです。
ハワイ州の登記は、「Bureau of Conveyance」と言うハワイ州の土地登記所で管理されることになります。ランドコートシステムへの登録が完了後に所有者名義で登記証明書が発行されます。この土地証明書には、土地における抵当権やリース、そして判決に伴う、土地に関する様々な負担を全て記載する必要がありますが、把握していない事項等の記載漏れがあった場合でも土地の所有権には一切影響を及ぼしません。
ランドコートシステムとレギュラーシステム
アメリカの不動産登記において、本土の州は単一のシステムを採用しているのが一般的であるのに対して、ハワイ州の登記方法は先述した「ランドコートシステム」に加え、「レギュラーシステム」という、計2種類の登記方法が存在します。
レギュラーシステムは一般登記システムとも呼ばれており、ランドコートシステムと異なる点は、ランドコートシステムが「登録者保護システム」という判断基準を採用しているのに対し、レギュラーシステムの判断基準は「善意登録者保護型システム」を採用しているという点です。
レギュラーシステムにおいては、登記官は不動産譲渡権利書の対象となる物件や土地の所有権を確認することはありません。所有権や優先権に関するいかなる決定も行わないため、単純に登記の順番のみが優先されます。
両方に登記されたデュアルシステム
2種類の登記方法があるハワイ州の物件には、レギュラーシステムとランドコートシステムの両方に登記されている「デュアルシステム」という物件がありますので、不動産取引の際に該当する物件の登記されているシステムについては、しっかりとチェックする必要があります。
レギュラーシステムかランドコートシステムかあるいはデュアルシステムかを見分ける方法は、不動産譲渡権利書に記載された登記番号の振り方や登記番号が記載されているページなどで判断することができます。
レギュラーシステムの場合、例えば「2018-000001」のように年度と登記番号をどちらも確認することができます。
ランドコートシステムの場合、登記された年度が登記番号上に記載されていません。またデュアルシステムの場合は、不動産譲渡権利書の左右上部に登記情報が記載されています。