補償制度の「適用条件」をしっかりとチェックしておく
前回の続きです。
次に、チェックしたいのが(3)万一の際の補償制度です。万一資産流出事故などがあった場合、あるいは自分の口座(だけ)がハッキングされて、資産が盗まれてしまった場合などに、損失を補填してくれるのかどうかです。
現状、補償制度を設けている取引所の方が少数派です。また補償制度があっても、損失の全額が補填されるわけではなく、範囲が限定される場合もあります。単に「補償制度があるから安心」だけではなく、適用条件などの中身をしっかりチェックしておきましょう。
\設立10年 会員数13,000名突破!/
富裕層が資産家であり続けるための無料会員組織
カメハメハ倶楽部とは?
これまで説明してきた(1)~(3)の点に加えて、可能なら会社の財務状況についても確認しておきたいところです。というのも、万一多額の資金流出事件などが起きた場合、財務状況に余裕があれば、全額を弁済することができます。しかし、財務に余裕がなければ「ない袖は振れない」わけで、結局投資家が泣き寝入りすることになります。
また財務的に余力があるということは、その分、システム投資やセキュリティ対策などに資金を回す余裕があるということにもつながるでしょう。
ただし、現状では単独で株式上場をしている仮想通貨交換会社は存在せず、財務諸表などのIR情報はほとんど開示されていません。そこで、親会社や出資会社がある場合に、それらの状況に着目するのが手です。
親会社、出資会社の業績、財務状態が良好であれば、子会社である仮想通貨交換会社に万一のことがある場合でも、援助が受けられる可能性は高く、その意味で安全性が高いと言えるでしょう。
「取引所機能」を持つ業者を優先して選ぶ
前回と今回の記事で、主に安全性という観点からの仮想通貨取引所選びについて解説しました。
●仮想通貨取引所選びのチェックポイント
(1)金融庁登録業者か否か
(2)コールドウォレット、マルチシグネチャなどの安全体制
(3)万一の際の補償制度
(4)「取引所」機能と「販売所」機能のどちらを持っているか
(5)扱っている仮想通貨の数(ビットコインはどこでも必ず扱っています)
(6)扱う取引手法の種類(現物取引、信用取引、先物取引、FX取引、積立など)
(7)手数料、スプレッド
\設立10年 会員数13,000名突破!/
富裕層が資産家であり続けるための無料会員組織
カメハメハ倶楽部とは?
ここからは、それ以外の面(4)から(7)について確認していきましょう。
まず(4)についてです。取引所には、「取引所」機能と「販売所」機能のどちらかの機能しか持たない取引所と、両方の機能を持つ取引所があります。
多いのは「取引所」機能のみの業者ですが、ビットフライヤーのように、1つのWebサイト内で両方の機能を提供している業者もあります。また、「GMOコイン」のように販売所機能しか提供していない業者もあります(この場合、正確に言えば「取引所」ではありません)。
取引所と販売所には一長一短があります。しかし、取引コストが低くなる「取引所」機能を主に利用するのが一般的です。したがって、取引所機能を持つところを優先して選んだ方がいいでしょう。
(5)については、最初は気にする必要はありません。なぜなら、最初はもっともメジャーでどの取引所でも扱っている「ビットコイン」を売買するのがよいからです。情報も多く、また流動性も高いので安心です。そして後から、ビットコイン以外のマイナー通貨の取引をしたくなったら、その時に扱っている取引所に口座を開設すればいいだけです。
(6)については、デリバティブ取引(株の信用取引やFX、先物)の経験が豊富で、仮想通貨においても最初からそういった取引をしたい方の場合、確認しておくポイントです。現物取引しか考えていない場合、気にする必要はないでしょう。
なお、仮想通貨は値動きが比較的激しいので、定期定額積立(ドルコスト平均法)は、案外向いているかもしれません。いくつかの取引所では、積立サービスを行っています。しかし、積立に手数料がかかる場合がありますので、その点は十分に確認してください。
(7)について。取引所の場合は、売買手数料がかかります。ただし、現在ではビットコインについては手数料無料としている取引所が多く、必要な場合も0.1%前後です。中には顧客サービスとして、手数料が「マイナス」つまり、取引すると手数料がもらえるという取引所もあります。
いずれにしても、0.1%前後ですので、デイトレードのような短期売買を繰り返す人以外は、あまり気にする必要はありません。
販売所の場合は、売値と買値の両方が提示される2Wayプライスが普通で、その差額(スプレッド)が実質的な手数料となります。これは2~3%と、取引所の手数料と比べるとかなり高めです。多くの人が取引所を主に利用するのはこのためです。