減価償却とは
企業において、使用できる製品には電化製品を中心に寿命があるものが存在しており、一定の期間使用できる消耗品として、必要経費として計上することができます。そのため、企業の純利益からマイナスされるために、しばしば節税対策として利用されています。
なぜこういう考えがあるかと言うと、数年以上の耐用年数を持つ高額な設備等の資産を購入した場合、初めの年で利益が大幅に減少し、次の年以降、資産は稼働して価値を生み出しているにも関わらず、費用として計上されないことで利益が増大しまうため、高額な税金がかかるからです。そのため、耐用年数に応じて少しずつ費用を計上していくことで、企業が安定した利益を得ることができるため生まれたものです。
減価償却の考え方
消耗品と言っても、使うものすべてが当てはまるかというとそうではありません。時間の経過とともに価値が下がるものをいい、車やパソコンなど、中古品になると価格が下がっていくもの全般を言い、土地や株式の有価証券など必ず下がると言いきれないものは入りません。
必ずしも有形でなければならない規則はなく、無形固定資産の特許権や商標権、ソフトウェアなどの権利などは減価償却されます。また、有形であっても建物や機械設備など評価があいまいなものも存在しており、計算が難しいながらも、可能な限り合理的に費用化して減価償却できるよう考えられています。
減価償却の計算方法
減価償却は、「建物及び設備の経年劣化部分につき、取得費用を耐用年数に応じて経費計上すること」とされており、代表的な計算方法には、次の2つがあります。
まずは定額法です。これは一つの製品に対してどのくらいで使用不可能になるのか計算した上、毎年同じ金額を必要経費として計上する考え方です。同じ金額が純利益から引かれるので、計算がしやすく将来的にどのくらいのコストがかかるのか予測しやすいということが大きいでしょう。
次に定率法です。償却費の額は初めの年ほど多く、年を追うごとに計上できる金額が減少していくのが特徴です。メリットとしては、購入した時に多額の設備投資をして、会社の経営が苦しい状態となっている時期、多く経費を計上できるので、税金が安く抑えることが可能なことです。定率法の具体的な数字は、耐用年数省令を参照して決められます。一般的にはこの二つですが、固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した減価償却費を計上する級数法と、生産高比例法と言って、資産の耐用期間中、毎期当該資産による生産又は用役の提供の度合に比例した減価償却費を計上する方法もあります。