今回は、 会社売却や事業売却の売却手段によって、どのような税金が発生するのか見ていきます。※本連載では、事業承継の選択肢のひとつとして、M&Aの基礎知識を紹介します。

株式売却で計上されるのは「所得税」

会社・事業売却には税金がかかる

会社や事業売却には、当然税金がかかります。売却の手段によってかかる税金の手段が変わるので注意が必要です。売却には2種類あり、株式の売却と事業の売却があります。それぞれ内容を見てみましょう。

 

株式売却のケース

株式の売却では、あくまでも個人が持っている資産が他人に譲渡されることになるので、所得税が計上されます。会社が自分の持ち物ではなくなるため、事業売却よりも重い決断と言えるでしょう。

 

税金の額としては、株式の売却価額から取得した金額(設立時の資本金等)を差し引いた売却益に対して、20%(所得税15%、住民税5%)の税金がかかります。

 

株式譲渡による会社売却の場合は株主の変更となるので、税金は株式を売った権利者個人の所得に対してのみにかかり、会社に対して税金はかかりません。

 

ただし、株式売却の価格が税務上の時価と大きく違っていた場合、追加で税金を課せられる場合があるので注意が必要です。 経験のある税理士や会計士に頼むのが無難でしょう。

事業売却で計上されるのは「法人税」「消費税」

事業売却のケース

事業の売却では、会社の所有する資産が移転したとされ、法人税と消費税が計上されます。法人税で言えば、約40%の税金が会社にかかります。通算できるので、赤字で圧縮できます。この場合の税金は、法人の決算期に合わせて支払う必要があるため、決算期末から原則として2ヶ月以内に払うことになります。

 

また、注意が必要なのは事業譲渡による会社売却で得た対価を個人が受け取ろうとすると、その際にも個人所得への税金として所得税がかかる場合があることです。

本連載は、株式会社M&Aクラウドのサイト『M&A to Z』(https://media.macloud.jp)から転載したものです。

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