成立率が落ちている不動産オークションだが・・・
今年もあっという間に1月が過ぎ、2月へと突入する中、まだまだホリデー気分が抜けきれないニュージーランド。時期をずらして休む方もいるのですが、2月中旬に入ったことで、そろそろ通常マーケットに戻るかなと思う今日この頃です。
ニュージーランド不動産業界では、販売方はオークション売りをお薦めしています。しかし、昨年度後半よりオークション成功率が下がっており、1月の成功率も約50%に止まりました。しかし地域によって差があり、ワイタケレ地方(オークランド西方面)の成功率は80%。まだまだオークション売りは画期的販売方法と言えます。
以前よりご紹介しているワイカト地方は、価格付けで販売している方法が大半ですが、最近オークション売りも開始し、マーケット価格を模索している状況にあります。
では、なぜオークション売りをお薦めするのか、昨年後半よりオークション成功率が下がってきた理由を説明しましょう。
現在ニュージーランドでは、銀行ローンの利用が厳しくなっています。自己居住用物件購入の際は、購入価格の80%の融資、すなわち20%の自己資金が必要です。2軒目の家、つまり投資用物件に関しては、購入価格の40%のデポジットが必要で、60%しか貸してくれません。
そんな状態では、気軽に投資物件を買えません。そして、無条件で購入することが義務つけられているオークション売りには、なかなか参加できなくなります。銀行と事前に相談し、融資承諾を得てからオークションへ参加しなければならないのです。
仮に、週末のオープンホームに行った際、希望に適った物件が見つかったので販売方を確認すると、次の日がもうオークション日だったとすると、オークションへの参加はできなくなります。
そういう意味でも、物件購入者は毎日のようにウェブ検索をするか、セールスマンに声をかけ、希望物件や予算などを伝え、新規物件をすぐに内覧する必要があります。通常オークション日まで2~3週間ありますので、その間に銀行と相談するなど、資金集めに努力しなければなりません。
そういう事情がありますので、オークションに参加しているバイヤーの人達は、資金準備ができているかで、ビットする=手を上げることができるか or できないかの境となり、オークション成立率も変動します。
オークションが成立せず、条件付契約交換のできるチャンスがある場合は、条件付オファーを出します。融資を整え、1~2週間後には売買を成立させた例も多々ありますので、オークション成功率が半分になったとしても、家の売却成功率としては高さを維持している状況です。
オークション成功率が下がっているデータを見て、マーケットが冷え込んでいるのではないかと錯覚される方もいますが、そうではないことをご理解いただきたいと思います。
家主・バイヤー・セールスマンの悩みの種、「新CV」
今年2月1日に銀行がオープンし、上記自己居住物件購入者の80%融資が85%となり、90%も近いと聞いています。投資物件購入者には5%緩和され、65%の融資となります。5%ととはいえ、物件購入額は1000万円単位ですので、5%アップは新年早々良い話題となりました。
一方、販売価格=購入価格について、前回新しい市役所の評価額=CVの発表があったと紹介しましたが、この新CVが良くも悪くも家主、バイヤー、不動産セールスマンを悩ませる種となっています。
例えば、新CVが12万4000NZドルとなったことについてです。前回より約50%も上がったことになります。ついこの間まで、95万NZドルくらいなら販売しても良いと考えていた家主が、12万4000NZドルという数字を見て「120万NZドル相当で売りたい」と言ってくると、バイヤーの方はなかなか付いていけません。
一方、買い手の方も、CVを見ると100万NZドルを越えています。マーケット通ではないファーストホームバイヤーなどは、CV値を基準に考えることが多く、ついつい高めの金額で買わされることになります。
そのため、家主はオークションで「新CV価格」に近い金額で売りたいと思い、競わせるのです。以前と今のCV価格の間をとり「110万NZドルで売る」と考える方も多いのですが、価格を提示せず、オークションでマーケットプライスを見極める方もいます。
以前のCV価格を基準にしたマーケット価格より上がれば運がいい、と謙虚に考える家主もいますが、新CV通り、またはそれ以上の価格を求める家主もいて、セールスマン泣かせの新価格告知となっています。
そのため、人気のある家だと値段は必然的に競争で上がります。逆に人気が今一つない家は、以前のCV価格を基準にしたマーケット価格の前後で売買が成立することもあります。その場合、家主にはお手ごろ価格を強調することで、早期売買成立を目指す人も出ています。
外国人への販売規制は、3月末までには実行される気配
最近発表された「外国人は中古物件を買えない」という新政府の方針。しかし、未だに実施時期、詳細が正式発表されていないので、幸か不幸か、我々も引き続き中古物件の情報を提供し、販売へと進めています。とはいえ、3月末までには実行される気配ですので、不動産投資をお考えの方は、即効で判断いただくことをお薦めします。
ニュージーランド不動産投資を行う場合は、ニュージーランドの口座開設・税金番号=IRDナンバー取得など事務手続きのために、一度はオークランドへの渡航が必要となります。
日本の寒い冬時を脱出し、暑いニュージーランドへの旅行もお薦めです。滞在途中で政府の方針が決まったとしても、不動産が買えないという事態にはなりません。新築物件であれば購入が可能ですし、土地開発も可能になっています。
ニュージーランドで全ての投資が行えなくなるわけではありませんので、どうぞご安心下さい。