年間5000万円の利益を上げるスイングトレーダー
Gさん( 兵庫県在住の兼業トレーダー)
Gさんは、国内からアジア諸国へ工作機械を輸出する貿易会社を経営している40代の男性だ。海外とビジネスを行なう企業にとって、為替変動は頭を悩ます要因のひとつ。というのも、商取引はほぼ外貨で行なわれており、海外で得た利益は決算時期などに合わせて、外貨を売って円を買う取引(円転)をする必要がある。しかし、円転のタイミングで円高が進んでいれば、回収した代金は円建てで目減りすることになり、業績には悪影響を及ぼす。その為替リスクを軽減させるため、多くの企業では、円安だと思われる時期に「為替予約取引」を行なっている。Gさんは、その為替予約取引を通して相場観を磨き、FX取引でも利益を積み上げている。
2015年6月頃から、本腰を入れてFX投資へ
FXの良いところは、情報格差が小さいところです。
たしかに、たとえば米国FRB(米国の中央銀行組織)に勤めている職員で、金融政策の策定にかかわっている人なら、米国が次に利上げするのがいつなのかを把握しているでしょうから、その人が次の利上げを見越して米ドルを買ったり売ったりすれば、為替のインサイダー取引といえなくもありません。
しかし、そんな人は外国為替市場での取引に参加している人のうち、0.1%にも満たないでしょう。つまり、情報という点では、99.99%の人が同じ条件下でトレードしているわけですから、非常に公平なマーケットといえます。
そんなこともあり、2015年6月にドル円が125円の高値をつけたのを見て、ドルが崩れる可能性を感じたあたりから、本格的にFXに取り組むようになりました。
仕事に差し支えない「スイングトレード」がメイン
FXのトレード手法としては、いわゆるスイングトレードを行なっています。仕事中もパソコンの画面に為替レートの動向を表示させてありますが、他の社員の目がありますので、それを見ながら頻繁にトレードするようなことはなく、せいぜい、時々、為替レートの値動きをチェックする程度です。本業はあくまでも貿易の仕事ですから、FXでトレードする際の時間軸は、仕事に差し支えることがないよう、比較的長めです。
先に申し上げたように、本業にからんで為替予約取引をしているのですが、この取引は半年後、1年後の為替相場がどうなるのかを考えて、いくらで予約するか、しないかを判断するものです。1分先、5分先の値動きを予測するなら、それこそテクニカル分析やプライスアクションのみで方向性を考えたほうがいいと思いますが、たとえば1年先の為替レートがどうなるのかを、そのように判断することはできません。やはり、ファンダメンタルズなども合わせて、いわゆる「相場観」をつくる必要があります。
私の場合、こうしてつくった相場観を、為替予約取引をするときだけでなく、FXで取引の判断を下す際にも活用しています。
具体的には、数か月、数週間という時間軸で相場の方向性を予測したうえで、適宜、ポジションを持ってトレードするのです。ですから、パソコンの取引画面に張りついていなくても、続けていけるトレードスタイルになっています。