本連載は、外国客船「オーシャニアクルーズ」の乗船コーディネーターである喜多川リュウ氏の著書、『極上のクルーズ手帖』(クルーズトラベラーカンパニー)の中から一部を抜粋し、クルーズ旅行の予約から、下船までの基礎知識を紹介します。

日本発着船の増加や、価格が認知されたことが要因

長い間、一部の富裕層のための贅沢な旅だと思われてきた船旅が、じつは誰もが気軽に参加できるものだと気がついた日本人が急増している。

 

ブーム到来には3つの大きな要因があると私は思う。

 

ひとつ目は「船旅」をテーマにしたテレビ番組が増加したこと。映像による情報提供は最も効果的に視聴者の心に訴える。「百聞は一見にしかず」。船内から寄港地にまでおよぶ1時間の現地レポートを見たら、誰もが行きたくなってしまう。

 

ふたつ目は日本発着の外国客船による日本近海航路が増えたこと。いままでヨーロッパやアメリカなど、外国客船に乗るためには、まずは長時間の空の旅が欠かせなかった。それが横浜港や神戸港から気軽に乗れるようになったことで、船旅は一気に身近なものになった。

 

そして、3つ目はリーズナブルな乗船料金が浸透したことだ。移動や宿泊は言うにおよばず、1日3回の食事に加え、乗船料金にはアフタヌーンティーや夜食、エンターテインメントまでが含まれていて、1日1万円前後から乗船できることが、理解されるようになってきた。

 

これで「情報、素材、適正価格」と三拍子がそろったことになる。ブームにならないほうがおかしい。

 

しかし、まだブームは始まったばかりだ。日本のクルーズ人口は年間24万人程度と言われているが、アメリカでは1000万人を超えている。アメリカの人口が約3億人、日本の2.3倍とするなら、日本のクルーズ人口がやがては400万人──いまの16倍強!──を超えても不思議はない。

面倒な荷造りも移動もナシ! 船旅は日本人にこそ合う

なぜクルーズがこんなにも日本人の心にすんなりと入り込んだのか。人気の理由もわかりやすい。

 

●一度乗船してしまえば、面倒な日々の荷作りが不要。リゾート滞在の気楽さで周遊旅行が楽しめる、まさに一石二鳥の旅。

 

●懐具合に合わせて客室が選べる。内側客室からベランダ付き客室、ペントハウスやスイート客室まで客室のカテゴリーが自由に選べる。

 

●団体行動にしばられず、自分のペースで自由に寄港地の散策が楽しめる。

 

●移動時間がゼロ。寝ている間に次の寄港地に移動してくれるので、目覚めれば新しい街が待っている。

 

●ナイトタイムが充実している。日替わりのナイトショーやイベント、カジノが楽しめる。

 

●安全性が高い。ほとんどの海外の寄港地でパスポートは携行不要なので、盗難被害のリスクが少ない。

 

●同じ船の乗客同士が言葉の壁を超えて親しくなれる。

極上のクルーズ手帖

極上のクルーズ手帖

喜多川 リュウ

クルーズトラベラーカンパニー

クルーズの裏ワザを知り尽くした著者、喜多川リュウ氏によるクルーズ取り扱い説明書。 予約できる全50ブランド最新データも掲載。読むだけでクルーズの基礎知識から小ネタまで身につく一冊です。

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