株式や債券に代わるオルタナティブ投資のひとつとして、絵画やコインなどのコレクションアイテムへの投資に注目が集まっています。特に近年、希少なアイテムは世界的に需要が高まって価格も上昇し、有名絵画が高額で落札されるニュースもよく耳にします。スリランカにおいてコレクション投資を実践している人々をご紹介します。

利益だけでは図れない「コレクション投資」の魅力

それらはこの世のものとは思えないほどの優雅さで、投資家を魅了する。今回の記事で取り上げる芸術品・ヴィンテージ車・漫画などを含むオルタナティブなアセットクラスの一部は収集品でもあるため、一般的な金融資産とは著しく異なる性質がある。

 

これらの収集品は投資家にとって自身の情熱を捧げられる対象であり、またリスク分散にも有効である。オルタナティブな資産として人気があるのは、これらの他にワイン・切手・硬貨・ヴァイオリンやギターなどの楽器がある。

 

長期的な利益の可能性を信じてこれらの資産を獲得する前に、熟考するべき点がいくつかあるだろう。第一に、スリランカの市場は小さく、大抵は非流動的であるこれらの資産を売却することが大変であるという点だ。スリランカで貴重なヴィンテージ車を扱うバイヤーを見つけることは、大きな市場の場合よりも断然困難がつきまとう。

 

しかしながら、収集品の所有には株式投資にはない楽しみがある。芸術品は家に飾ることができ、クラシックカーは週末運転することが出来る。もちろん細心の注意を払う必要があるが。

 

最近では、オルタナティブ投資にはプライベートエクイティやベンチャーキャピタル、ヘッジファンドなどの投資も含まれる。しかし、これらの新たなオルタナティブ投資は全て金融資産である。

 

ポートフォリオを多様化することに加え、オルタナティブな投資資産の価格は金融市場と逆方向に動く傾向があるため、ボラティリティを抑えるのにも有効である。またオルタナティブ資産はしばしば正しく価値を評価されないため、投資家は裁定取引(アービトラージ)※1の機会を求めることになる。

バットマンやスーパーマン掲載の2011年版「創刊号」

数年前に、アメリカの二大漫画出版社のひとつでバットマンやスーパーマンを生み出したDCコミックス社が、これまで出してきた作品すべての設定やストーリーを完全リニューアルすることを決定し、2011年から第1話として連載が再スタートされた。※2

 

アメコミに登場するヒーローや悪役は全て大好きだというスリランカ人のファンであるAman Ashraffさんは、後に皆が欲しがると予測して、今回再スタートされたコミック誌の創刊号を入手した。その中には、新生バットマンやスーパーマンの創刊号も含まれている。Ashraffさんはこの創刊号は今では一冊につき100ドルの価値がつき、その価値は今後も上がるだろうと考えている。


次回は、コミックス投資をするAshraffさんをさらにご紹介します。

 

※1裁定取引(アービトラージ)
異なる銘柄間で価格差が生じることを利用し、割高なものを売り割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時に、反対売買をすることで利益を得る取引のこと。

※2DCミックスのリニューアル

DCミックスから出る様々な作品は、同一の物語世界に属しているとされるが、長い時間が経つにつれて矛盾が生じてきたなどを理由に、その世界設定が一新されることがある。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年10月に掲載した記事「Collectibles As Investment Assets」を、翻訳・編集したものです。

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