物件を見る機会が少ない空き家・古屋投資だけに…
物件購入を決める決断は、利回りだけでいいのでしょうか? 物件を見てきれいだからでいいのでしょうか?
初めて不動産の購入を検討される方には、すべてがリスクに感じられるし、すべてに可能性を感じられると思います。もちろん投資なのでリスクは必ずあります。そのリスク以上のメリットを感じられれば投資するという行動に移るわけですが、実際はそれほど論理的にはいきません。
物件見学ツアーに参加される方は、いきなり投資を始めるわけではありません。基本は私たちが主催するオンライン講座を受講されて、レポート提出して合格された「古家再生投資プランナーⓇ」(以下、プランナー)という資格を取得します。いわば知識的にはしっかりとしていると私たちが認定した方になります。そこで初めて物件を見て、大家業のスタートをしようと考えるのです。
空き家・古家不動産投資は物件も特殊ながら、不動産業者を通じて物件案内をしてもらいづらく、なかなか1人で始めるのが大変だということもあります。それに、何より初めての不動産投資で失敗してほしくないということからも、まずはオンライン講座を受講していただき、知識を備えてから物件見学ツアーで実際の物件を見ていただくのです。
物件のどこに着目するのか、ツアーを通して学ぶ
それでも最初はドキドキです。物件見学ツアーの始まりは集合場所での自己紹介から始まります。そこで先輩会員の協議会内での実績などを聞くことになります。
「プランナーのNです。昨年から始めて半年で2軒購入し、1軒は入居済みで、もう1軒はリフォーム中です」
時には20代の方や主婦の方などもいますので、「あぁ、こういった方でも投資ができるのか。自分でもできるかもしれない」と思います。そして、私は最初に初参加の方にいつもこう言っています。
「皆さん、オンライン講座で習ってもらったと思いますが、今から見る物件を実際に自分で試算してみてください。計算方法は、皆さんご存じですね。家賃を割り出し、自分の希望利回りで割り戻し、リフォーム費用を引くと購入金額になります。わからなくてもあてずっぽうでもいいし、同行する再生士に聞いてもいいです。とにかく自分で計算して出してみてください。最後に答え合わせをします」
その言葉で見学者から主体者に代わります。空き家・古家物件見学ツアーは知識を得る場ではなく体験する場と位置付けているからです。
そして、皆さんワクワクしながら物件を見学するのですが、初めての方は何もわかりません。物件をどう見ていいのか? 緊張もあって何をしていいかわからないのです。そういった時には我々が物件を見ながら解説していきます。
たとえば、「この玄関は木製だけどしっかりしているので、このまま使えそうですね……」「このキッチンは、まだ使えそうですね……」「もう給湯器は15年になるので取り換えたほうがよさそうですね……」といった感じです。
また、先輩会員(※1)もいるので、「この天井なら何もしないでいいですよね?」「この浴槽は塗装で大丈夫ですか?」など、我々に質問をしてきます。
(※1)会員……古家再生投資プランナーⓇと同義語。
そうした質問に再生士が答えているのを聞いているだけで、リフォームのポイントがわかるようになってきます。
移動の車の中では、周辺の賃貸状況などを話し、質問があれば家賃相場を伝えます。「この辺りの相場は戸建てで5万円くらいです。うまくいけば5・5万円が取れるかもしれません」と私が伝えると、ほかの人が「6万円は取れないですかね?」と質問してきたりします。
こうした場合、実際にあった例なども紹介して説明していきます。
「うーん……以前、この南側で購入された方は5.5万円+小型犬2匹5000円アップで6万円の実績はありますが、計算するときは5.5万円のほうがいいですね」
こうしたやり取りをしているのを聞くと、初めての方でもだんだんと購入イメージが湧いてきます。
この話は次回に続きます。