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短期保有資産の譲渡・・・「課税短期譲渡所得」の算出法

今回は、「課税短期譲渡所得」の算出法を見ていきます。※本連載は、税理士の松本繁雄氏の著書、『資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金』(経済法令研究会)の中から一部を抜粋し、土地・建物の譲渡により発生する「譲渡所得」の計算方法や課税方法などについて解説します。

保有期間が「5年以下」の土地建物等を譲渡した場合

2 短期保有資産の譲渡所得

 

譲渡のあった年の1月1日において、保有期間が5年以下の土地建物等を譲渡した場合の譲渡所得の金額および税額は、次により計算します(措法32条)。

 

(1)課税短期譲渡所得金額の計算

 

 

(2)短期譲渡所得に対する税額の計算

 

課税短期譲渡所得金額×30%(注)=税額

(注)住民税9%(道府県民税3.6%、市町村民税5.4%)

 

譲渡損失が生じた場合の「損失金額」の扱われ方

1 譲渡損失

 

総合課税による譲渡所得または分離課税による譲渡所得の金額を計算する場合には、その年中に譲渡した資産を次のように区分して、これらの資産の区分ごとに、それぞれ譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡損益を計算します。

 

 

次に、その区分ごとに計算した金額のうちに損失の金額があるときは、次のように取り扱われます。

 

①分離課税の土地建物等の譲渡損失

 

土地建物等の分離短期譲渡所得の金額または分離長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、それぞれ土地建物等の分離長期譲渡または分離短期譲渡の所得金額から差引き計算することはできますが、土地建物等の譲渡所得以外の所得(総合課税の所得金額または株式等の譲渡所得金額)との損益通算および翌年以降への繰越控除はできません。

 

なお、所有期間が5年を超える居住用財産の買換えによる譲渡損失または住宅ローン残高が譲渡代金を超える場合の特定居住用財産の譲渡損失の金額については、例外的に他の所得との通算および控除できない部分の金額の翌年以後への繰越控除が認められています(措法41条の5・41条の5の2)。

 

②総合課税の譲渡資産の譲渡損失

 

総合課税の短期譲渡および長期譲渡により生じた損失金額は、総合課税のそれぞれの譲渡所得の譲渡益から控除することができますが、分離課税の土地建物等の譲渡所得からは控除することができません。

 

③株式等の譲渡損失

 

株式等の譲渡損失は、他の株式の譲渡益からは控除することができますが、総合課税の譲渡所得および分離課税の土地建物等の譲渡所得から控除することはできません。

昭和30年早稲田大学政治経済学部卒業。
農林中央金庫勤務を経て、昭和50年税理士試験合格、税理士登録。

著者紹介

連載土地・建物の譲渡――譲渡所得の計算方法と税額計算

本連載は、2017年7月6日刊行の書籍『資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金』(経済法令研究会)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

 

資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金

資産税の実務 不動産の取得・譲渡・賃貸と税金

松本 繁雄

経済法令研究会

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