今回は、タックス・ヘイブン対策税制の対象となる法人の例として、「一の同族グループ」に属する内国法人について見ていきましょう。※本連載は、髙橋幸之助税理士事務所の所長で、税理士として活躍する髙橋幸之助氏の著書、『実務家のための図解によるタックス・ヘイブン対策税制』(法令出版)の中から一部を抜粋し、タックス・ヘイブン対策税制の仕組みや実務上の疑問点を、質疑応答形式で分かりやすく解説します。

政令で定める特殊の関係のある者とは?

問8 「一の同族グループ」に属する内国法人

 

Q:タックス・ヘイブン対策税制の適用を受ける直接及び間接に特定外国子会社の発行済株式等の10%以上を保有する一の同族株主グループに属する内国法人とは、どのような法人でしょうか。

 

A:同族株主グループとは、外国関係会社の株式等を直接又は間接に保有する者のうち、一の居住者又は内国法人及び当該一の居住者又は内国法人と政令で定める特殊の関係のある者(外国法人を除きます。)をいいます。政令で定める特殊の関係のある者とは、居住者の親族等又は一の居住者(又は内国法人)が他の法人を支配している場合の他の法人をいいます。

(措令39の16⑥・⑦)

 

次の事例では、内国法人(A)社と(C)社が10%以上を保有する一の同族株主グループに属する内国法人となります。

 

同族グループで10%以上株式を有する場合は対象に

<解説>

事例では、内国法人(A)及び(C)は、外国関係会社の持分がそれぞれ5%ですが、内国法人(A)は、内国法人(C)を支配しており(50%超保有)同族グループを形成しています。したがって、同族グループで10%以上有しており、内国法人(A)と(C)は10%以上を保有する一の同族株主グループに属する内国法人となります。

実務家のための図解によるタックス・ヘイブン対策税制

実務家のための図解によるタックス・ヘイブン対策税制

髙橋 幸之助

法令出版

タックスヘイブン対策税制の仕組みや過去10年間の主な改正事項、さらに実務上の疑問点を、図解・図表を用いて分かり易く解説しています。 「質疑応答」編を別項で設け、具体的で深度のある説明を行うとともに、事例による別表…

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