前回は、投資対象としての「飲食店向け賃貸不動産」の問題点を取り上げました。今回は、 投資用不動産としての「高齢者施設」の問題点を見ていきます。

借主の長期利用が期待できる一方、独特の問題も

今述べた飲食店のケースが示しているように、不動産投資で安定した収益を得るためには、長期にわたり借り続けてもらえることが期待できる物件を選ばなければなりません。そのような観点から、理想的な選択肢になりうるものとしては、①老人ホームなどの高齢者施設、②コンビニエンスストア、スーパーなどの店舗施設、③マンション、アパートなどの住居系の収益不動産があげられるでしょう。

 

これらの不動産は、一般的に入居者あるいは借主による長期間の利用が想定されています。たとえば、老人ホームであれば入居者が存命である限りは10年、20年と住み続けてくれるでしょうし、コンビニエンスストア、スーパーは長ければそれこそ30年、40 年と借り続けてくれます。マンション、アパートも通常、数年から10年間、気に入れば何十年も住む人も珍しくありません。

 

もっとも、これらの投資物件は安定した収益が期待できる一方で、それぞれ特有の問題点あるいはリスクを抱えています。

 

そこで以下では、①から③についてどのような問題点やリスクがあるのかを具体的にみていきましょう。

運営会社の信用性に問題があれば、銀行融資は難しい

まず①高齢者施設については、それなりの土地面積が必要となります。たとえば、老人ホームの場合であれば、運営側の採算性を考えると、最低でも30戸以上は必要であり、そのため200坪以下の土地では難しくなります。

 

また、規模が大きくなるので投資資金も高額になりがちです。私が過去に手がけたケースでは340坪の敷地で建物への投資額が5億円に及んだケースもありました。

 

そのため、多くの場合、金融機関から融資を受けることが必要となりますが、その際には、通常の不動産投資とは異なる〝ハードル〞を乗り越えなければなりません。具体的には、融資審査の際に、オーナーではなく高齢者施設を運営する事業会社の信用が何よりも重要視されることになるのです。

 

すなわち、通常の不動産投資の場合であれば、物件を所有することになるオーナーの資産を評価したうえで融資を行うか否かを決定するのが一般的ですが、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などの場合には、その運営を行うオペレーターの企業規模や、ノウハウ、経験などが融資の判断材料となるのです。

 

そのため、運営会社の信用性に問題があれば、オーナー自身が担保価値のある資産をどれだけもっていたとしても銀行から融資を受けることは難しくなります。

 

したがって、高齢者施設を投資対象として選択したいのであれば、まずは金融機関からの信頼を得られるような運営会社を見つけることが大前提となります。

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大塚 五郎右エ門

幻冬舎メディアコンサルティング

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