不動産賃貸管理のスペシャリストは誰か?
書籍『賃貸マンション 管理会社VS自主管理』では、自主管理の日常と管理会社の業務内容をお話ししていますが、実際どちらの方が大家さんにとってメリットがあるのでしょうか。自主管理と管理会社への委託それぞれのメリットとデメリットを確認しましょう。
管理会社に委託するメリット
管理会社に費用を支払い、業務を委託するメリットはどこにあるのでしょうか。また大手と呼ばれる大企業管理会社と地元密着の管理会社の違いなどあるのでしょうか
1 圧倒的な専門知識と経験値
管理会社に委託する最も重要なところ、それは「不動産賃貸管理の専門家スペシャリスト」であることです。
当然のことですが、毎日不動産賃貸管理の仕事にかかわっているわけですから知識や経験は豊富です。
また大きな規模の会社になると管理物件の数も多く、これを担当する担当者の人数も増えますので、それぞれが培ってきた知識や経験を会社内で共有することで、その知識と経験値も大きくなると言えます。
その知識と経験値を踏まえて、日々の管理業務の効率化、システム化をされているのであれば、ふと何かトラブルが起こってもスピーディーに対応できる体制になります。
会社の体制によって異なりますが管理担当者一人が担当する物件はおよそ10〜20棟、300戸〜500戸程度です。
業務内容を細分化したり、業務を分担していたりすると600〜1000戸、それ以上というところもあります。担当する物件数が多くなれば担当者一人ではなく、経理関係や営業の補助をする人も付いてきますので実質は一人ではありません。
管理物件の数が増えるほどその会社としての経験値と共有される情報は多くなるわけで、1棟所有されている個人の方と比べるとここは圧倒的に異なる部分なのです。
特に日々様々なことが起こる管理の現場では知識して知っているか否かはもちろん大事ですが、それを経験しているかどうかでも対応方法やスピードが異なります。
不測のトラブルが起こった時には、この経験が大きく活きてくることになります。二次的、三次的にとトラブルや被害が拡大しないためにもこの経験と対応は重要視するべきです。
募集業務(リーシング)においても経験値が重要に
管理以外では募集業務(リーシング)についても経験値は重要です。初めて管理する地域の募集業務であればまずその地域の相場や特性を把握し、募集条件や手法を考えていかなくてはいけません。
管理物件の多い不動産管理会社であれば一つの地域で複数の物件を管理していることもありますので、一つの地域に多くの物件があればその地域に足を運ぶことも多いでしょうし、周辺の仲介会社へ営業する頻度も増えると言えるでしょう。A物件一つの紹介だけではなく、A・B・Cと複数の物件を管理していることで、仲介会社の認知度も変わってきます。
リーシングで大事なことは仲介会社の担当者個人個人にその物件のことをインプットしてもらうことです。
お客様の希望条件と数多くある物件とをいかに効率よくマッチングさせることができるかにかかっています。できる営業マンは都度物件を検索するようなことはしません。お客様の希望条件を聞いたら瞬時にいくつかの物件が頭に浮かんでくるものです。「この物件」と言うより「この管理会社の物件」と認知している営業マンも多くいますので、数多く管理している不動産管理会社のスケールメリットはここにもあります。