前回は、自家消費型の太陽光発電と蓄電池設置のメリットについて確認しました。今回は、太陽光発電の具体例として、太陽光発電第3者所有「屋根貸しスキーム」について見ていきます。

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太陽光発電の新しい小口投資のあり方

太陽光発電の累積導入量は、2012年7月~12月末までで27.3GW、2016年12月末では32GWに到達し、固定買取価格制度(FIT)導入前の5GWを合計すると、日本の導入量は約37GWとなり、累積量は順調に増えている。同時にそれは、急激な導入量の伸びであることも間違いない。

 

以前からあったが、接続保留問題などはさらに深刻化し、電力会社に接続検討書を出し、連系までにかかる日数の回答をもらう際、系統に空き容量が少ない、また接続するために電力会社の系統の工事が必要ケースなど、様々な要因から接続回答書には、かなりの長期間待たないと系統連系できないと記載されていることも多くある。

 

 

また、いままでは固定価格買取制度(FIT)のもと、太陽光発電で作った電気の売電価格が比較的高かったので、全量売電の太陽光発電が広く普及したが、FIT単価は年々下落し、平成29年度は21円にまで下がっている(図表1)。

 

[図表1]太陽光発電の固定買取(FIT)価格の変動

 

このように、大規模発電所の建設が難しく、太陽光バブルとまで言われた時代は過ぎ去りつつあるが、忘れてはいけないのは、太陽光発電所は一度設置工事すれば安定的に売電してくれ、投資先としてはかなり手堅い商材であるということである。

予想発電量より、実際の数値が上回るケースがほとんど

太陽光発電所は、不動産投資のように、投資物件に誰も入居しないというリスクを背負うこともなく、一度太陽光パネルを設置し、売電を開始すれば、安定収入を見込める。
当社は20年間太陽光発電を設計・施工し続けているが、当初に予想した発電量より実際の発電量は上回るケースがほとんどである。

 

 

横浜市とコラボレーションし、綾瀬市に屋根貸しモデルで太陽光発電をつけたケースは、現在運転開始3年目だが、発電は順調に推移している。2016年集計結果では、太陽光発電を29件のお宅につけた総発電量は、シミュレーション値より113%上回るという結果も出ている。

 

[図表2]綾瀬市に屋根貸しモデルで太陽光発電をつけた事例の2016年集計結果

 

このように、太陽光発電を屋根の上につけて、定期的なメンテナンスをおこなうことで、10年間安定した売電をすることが可能である。

 

太陽光発電第3者所有「屋根貸しスキーム」の投資家のメリット

 ●安定した利回りが見込める 利回り10年間12%~13%

 ●屋根を貸すオーナーが各地に分散しているため、リスク分散ができる

 ●投資した物件を維持できなくなった場合は、保険にて補填できる可能性がある

 ●電力事業(FIT価格の下落、接続不可問題)を回避し、スピード感があり投資できる
 

[図表3]スキーム図

 

投資家にとって、一般的には投資利回りとして4%前後が多いといわれる中、この太陽光発電第3者所有「屋根貸しスキーム」では、12%前後の利回りが見込めることは魅力があると考えている。しかしながら一番のメリットは、再生可能エネルギーである太陽光発電を、特に活用価値がない屋根に設置することで、世の中にCO2を排出しないクリーンな電気を普及できることではないだろうか。

 

 

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